平成 27 年度 受講生募集案内 奈良先端科学技術大学院大学 「モノのインターネット」分野でのグローバルアントレプレナー育成プログラム (GEIOT: Global Entrepreneurs in Internet Of Things) IoT とは,身の回りの様々なモノがネットワークに接続されて高度に連携する世界を指します.我が国が 得意とするモノづくりと情報通信技術の融合によって開発される「スマートな日用品」により,今までにな かったサービスや付加価値の創造が可能になります.モノとモノの連携により,2020 年迄に 1,000 億個のモ ノが繋がるネットワーク世界が実現し,その市場規模は,631 兆円にも及ぶと言われています. 本プログラム(GEIOT)では,IoT 分野における基本的技術開発から,製品やサービス企画,ビジネスプラ ン構築まで,起業や新規事業創出に必要な基本的な知識やスキルを習得できる実践的コースワークを提供し ます.IoT 分野での起業や新規事業創出に興味のある方,IoT 分野のみならず優れた技術を新規事業として展 開するための方法論について学びたい方を,職種等にかかわらず受け入れます(注). GEIOT の中で産まれたアイデアをもとに実際のビジネス展開を目指す方には,本プログラムの終了後も, GEIOT の連携機関が運営に関わっている大阪イノベーションハブから支援を受けることもできます.また, 将来,奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士前期課程に入学した場合は,GEIOT で受講認定がさ れた各講義に相当する単位が一般科目の単位として組み込まれます. 注:GEIOT では奈良先端科学技術大学院大学の正規科目を科目等履修生という立場で受講することになるため,原則,大学卒の資格が必 要となります.これに該当しない場合は別途審査が必要となりますので,事前に問合せください. ● プログラム構成 GEIOT は,以下の4つの講義から構成されています. 講義A:グローバルアントレプレナー基礎 講義B:グローバルアントレプレナー発展 講義C:グローバルアントレプレナーPBL 講義D:IoT プロトタイピング基礎 受講に当たっては,以下の受講形式があります. コース1:講義Aのみ コース2:講義A・B コース3:講義A・B・C コース4:講義A・B・D コース5:講義A・B・C・D 講義A・B・Cを受講し,その単位を取得された方には,GEIOT の修了書を授与します. ● 講義内容と日程・場所 講義A:グローバルアントレプレナー基礎 場所:大阪イノベーションハブ(大阪市北区大深町 3 番 1 号 グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタ ワーC 7階)または,大阪産業創造館(大阪市中央区本町 1-4-5) 日程:第1回 5月 9日(土)10:30〜18:00 第2回 5月23日(土)13:30〜18:00 第3回 5月30日(土)13:30〜18:00 第4回 6月 6日(土)13:30〜18:00 第5回 6月13日(土)10:30〜18:00 (午後開講の日も,午前中に自主グループ演習は可能です.) 内容:イノベーション創出につながる先端科学技術の事業化に必要なノウハウ,課題発見・解決能力及び 広い視野等を身につけること目的とする.ビジネスモデルを見える化する手法である「ピクト図解」 を用いて,効果的なグループワークによるビジネスプラン作成を行う中で,事業成功に必要な経営 戦略,財務戦略,マーケティング等の基本的知識とプランをまとめる力を習得する.これにより社 会ニーズに対応する起業を可能とする事を目的とする.アントレプレナーの講演やグループワーキ ングによるビジネスプラン作成を通じ,企業や社会の課題発見力と解決力を養う.グローバルアン トレプレナーが事業を推進するために必須となるビジネスプラン案を見る力,作る力,伝える力, 修正する力に必要な技術ノウハウを身に付ける.また,完成したビジネスプランを,ベンチャーキ ャピタリストや業界にプレゼンする発表会で評価とアドバイスを受け,実践的な力を養う. 第1回:ピクト図解とビジネスモデル・キャンバスを用いたビジネスモデル解析力の取得とグル ープ分け 第2回:ヒット商品と失敗例から商品を学び,グループワークによるビジネスプラン構築 第3回:利益を上げている企業例からビジネスモデルを学び,グループワークによるビジネスプ ラン構築 第4回:ファンドレイザーの基礎を学び,発表に向けたビジネスプラン構築 第5回:ビジネスプランの展示と発表,及び評価と修正 講義B)グローバルアントレプレナー発展 場所:奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市高山町 8916-5) 大阪イノベーションハブ (大阪市北区大深町 3 番 1 号 グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7階) 日程:第1回 6月20日(土)奈良 13:30〜16:40 第2回 6月27日(土)奈良 13:30〜16:40 第3回 7月 4日(土)奈良 13:30〜16:40 第4回 7月18日(土)大阪 10:30〜18:00 第5回 7月25日(土)奈良 13:30〜16:40 第6回 8月 8日(土)大阪 10:30〜18:00 内容:イノベーション創出につながる先端科学技術の事業化を行うために必要な事業実施能力を涵養する. グローバルアントレプレナー基礎によって確立したビジネスプラン案の商品サービスに関して,プ ロトタイプ(試作品)を作成し,ユーザーニーズと技術的課題の発見と解決を繰り返す中で,ビジ ネスプラン案の成功可能性の向上を行う.事業実施能力を向上させるため,プロトタイプ作成の中 で課題発見と解決を繰り返す. プロトタイプ(試作品)と共にビジネスプラン案をベンチャーキャ ピタリストや業界に発表し,客観的な評価を得て,改良することで事業実施能力を向上させる.専 門家や業界による客観的な評価を 2 回受け,修正する中で起業力を涵養する. 第1回:ビジネスプラン案に基づいたプロトタイプの製作 第2回:ビジネスプラン案に基づいたプロトタイプの製作 第3回:IoT のマーケティング戦略の基礎知識を得るとともに,中間発表の準備を行う 第4回:中間発表によって評価とアドバイスを受け,ビジネスプラン案及びプロトタイプの課題 を把握し修正を検討 第5回:中間発表の評価による,ビジネスプラン案及びプロトタイプの修正 第6回:最終発表によって評価を受け,ビジネスプラン案及びプロトタイプの事業課題を把握す る。 講義C)グローバルアントレプレナーPBL 場所:大阪近隣のセミナーハウスなどを予定しています.合宿形式で実施します. 日程:8月21日(金)〜23日(日) 内容:グローバルアントレプレナー基礎・発展で学んだことの集大成として,2 泊 3 日の合宿形式の Project Based Learning(PBL)によって自らのビジネスプランの伝える力を養う.まず,プロジェクトとし てビジネスピッチコンテストへの出場・入賞,もしくはクラウドファンディングサイトへの出品・ 資金調達,いずれかを受講者が選択し,プロジェクトを達成させるためのプロセスについて検討し, 必要な知識については専門家による講義を適宜行う. (1 日目) ブリーフィング:本合宿での実施内容の説明を行い,受講者は,目的と目標をコミットする.状況 によりチームビルディングを行う. ビジネスプランのブラッシュアップまたは作成:グローバルアントレプレナーⅠ〜Ⅳで作成した ビジネスプランのブラッシュアップまたは,新たなビジネスプランを作成する. (2日目) ピッチ講習:短時間のプレゼンテーションで,ビジネスモデルのポイントと熱い想いを正確に伝 える手法を学ぶ. プレゼンテーション資料の作成・ピッチ練習:講習で学んだテクニックを活用した資料作成とピ ッチ練習を行い,ブラッシュアップを行う. ピッチの実施とフィードバック:5 分間のピッチを行い,審査員等からフィードバックを行う. (3日目) ビジネスプラン動画(PV)コンテンツ作成:動画(PV)を見た人が,出資をしたくなることを目的 に,コンテンツを作成する.(絵コンテでも可とする) 動画(PV)の発表と評価:動画(PV)に対する客観的な評価を受けるとともに,他の発表者に対す る評価からも学ぶ. 講義D)IoT プロトタイピング基礎 場所:奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市高山町 8916-5) 日程:第1回 5月 7日(木)17:00〜20:00 第2回 5月14日(木)17:00〜20:00 第3回 5月19日(火)17:00〜20:00 第4回 5月21日(木)17:00〜20:00 第5回 5月28日(木)17:00〜20:00 第6回 6月 4日(木)17:00〜20:00 第7回 6月11日(木)17:00〜20:00 第8回 6月18日(木)17:00〜20:00 内容:IoT システムのプロトタイプ制作において有用な技能のうち,Raspberry Pi 等の小型シングルボー ドコンピュータを使ったシステム開発の基礎と,それらと各種センサやカメラを接続して使用する 方法,Web サービスと連動させる方法を学ぶ.また,3Dプリンタによる形状のラピッドプロトタイ ピングについても学ぶ. 第1回:Raspberry Pi によるソフトウェア開発の基礎. 第2回:センサを Raspberry Pi に接続し,そのデータを読み込んでネットワークにツイートす るプログラム(BOT)等の作成. 第3回: MQTT プロトコルを使ってセンサデータを Sango 等のクラウドにあげる Pub/Sub システ ムの構築. 第4回:Tableau や DataSpider でデータを可視化するサービスの構築. 第5回:Raspberry Pi に接続したカメラから画像キャプチャなどを行うカメラ制御ソフトウェア の開発. 第6回:OpenCV を用いた Raspberry Pi 上での画像処理. 第7回:3DCAD を使った基本的なスケッチと基本形状の作成. 第8回:3DCAD による詳細形状の作成,部品組立,3D プリンタによる 3 次元モデルの造形. ● テキスト ・ビジネスモデルを見える化するピクト図解(板橋 悟 著)ダイヤモンド社 ・ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書(アレックス・オスターワルダー 著)翔泳社 ● 受講料 コース1: 一般社会人 コース1以外:一般社会人 150,000 円,他大学大学院学生 300,000 円,他大学大学院学生 75,000 円 150,000 円 ● 応募方法 別紙の受講申込書(履歴書含む)に必要事項を記入の上,下記まで電子メールで申し込み下さい. 受講申込書送付先メールアドレス: geiot-contact@is.naist.jp また,以下の書類も併せて GEIOT 事務局まで,郵送下さい.GEIOT 事務局の住所は,本案内の最後に記 されています. 1 最終出身学校の卒業証明書・成績証明書 2 写真(縦 3.0cm 横 2.4cm) 2枚 3 在留カード(両面)の写し(外国人のみ提出) 4 選考結果通知用封筒(372円分の切手貼付の定形封筒。郵便料金が改定された場合は、改定後 の郵便料金分の切手を封筒に貼付してください。 ) ● 応募締切 平成 27 年3月27日(金) ただし,先着順で受付を行い,受け入れ可能人数を超える応募があった場合は,受付をお断りする場合も ありますのでご承知ください.郵送物の到着が遅れる場合は,事前に GEIOT 事務局まで連絡下さい. ● 主な講師(予定)紹介 光井 將一(奈良先端科学技術大学院大学 産官学連携推進本部 客員准教授) 大学発ベンチャー企業の経営者として,実質倒産の休眠から株式上場まで天国と地獄,双方の事業経験 を積む.その後,経験を活かして近畿経済産業局,岡山県,大阪府,大阪市,兵庫県などで産業振興の 委員・指導員を勤める.一方で,産業育成の鍵を握るのは長期的な人材育成と考え,高等学校教科書を 執筆したり,大学で起業を中核とした実務的講義を行なったりしている.奈良先端大において技術ベン チャー論,技術経営等の講義を担当. 宮下 敬宏(ATR 知能ロボティクス研究所 ネットワークロボット研究室 室長) これまで総務省委託事業「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発(ネット ワークロボット技術)」 「高齢者・障害者のためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」な ど、IoT 分野の根幹となる技術であるネットワークロボット技術に関する研究開発に従事し、この技術 を利用した事業化に利用できるオープンプラットフォームの開発、普及、国際標準化も行ってきた. 世 界各国で利用されているオープンプラットフォームに関しても造詣が深い。また、大阪市委託事業グロ ーバルイノベーション創出支援事業(GI 事業)のスーパープロデューサーとして、イノベーションに関 わる人々が集まる場(大阪イノベーションハブ)を開設、管理・運営し、イノベーション創出に繋がる 投資家マッチングやビジネスピッチコンテストなどのアントレプレナー向けイベントを年間 190 回以上 も実施してきた. 飯田 元(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授) 専門は,ソフトウェア工学(ソフトウェアプロセス,プログラミング言語,設計・モデリング技法、ソフ トウェア解析) .産学連携による実証的ソフトウェア工学の研究プロジェクトに長年従事.欧州における IoT/Industry4.0 推進の重要拠点である独・フラウンホーファ実験的ソフトウェア研究所(IESE)とも長 年の共同研究実績を有する.また人材育成プログラムの運営にも深くかかわり,近年は技術統合型プロ ダクトの開発をターゲットにした人材育成プログラム(IT-Triadic,平成 23~27)に取り組む.博士(工 学) . 荒川 豊(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授) 専門は,IoT に関する実証的な研究で,生活のあらゆる場面の IoT 化に取り組んでいる.博士(工学) . 学生時代にベンチャー起業に関わったことから,教員としても研究成果の実用化に力を入れている.そ の成果は,2010 年 Mashup Award6 において GeoHack 賞および沖電気工業賞,2011 年には,フクオカ Ruby 大賞奨励賞,並びに,54 時間で起業する世界的イベント Startup Weekend で日本一にも輝くなど高く評 価されている.その後も,毎年,国内各種アプリコンテストで受賞を重ね,2014 年には世界トップカン ファレンス ACM Mobicom におけるアプリコンテストでも世界 2 位に輝いている.また,IT による地域問 題の解決に向けた CODE for Ikoma という活動も行うとともに,複数の IT 技術アドバイザーも務めてい る. ● 連携機関 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 公益財団法人大阪市都市型産業振興センター ● 問い合わせ先 630-0192 奈良県生駒市高山町 8916-5 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 GEIOT 事務局 Mail: geiot-contact@is.naist.jp TEL:0743-72-5381 FAX:0743-72-6252 本プログラムは,文部科学省グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)の支援を受 け,実施しています.
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