「ハード・アカデミズムの時代」 - NPO法人|学習塾全国連合協議会

発 行 安田教育研究所
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2015年
4
● セミナーリポート ● 2015 年中学入試から私学の今後を考える............................................... 2
● 高 校 入 試 ● 2015 年度 都立高校入試結果 まとめと分析...................................... 13
● 高 校 入 試 ● 神奈川県公立高校・私立高校入試.......................................................... 21
● 大 学 入 試 ● データから見た薬学系分野の現状と課題............................................... 27
「ハード・アカデミズムの時代」
2 月から新聞社系週刊誌には、毎週のように高校別大学合格者数ランキングが掲載されている。
こうした記事を見ると思い出す本がある。
「ハード・アカデミズムの時代」
(高山博著 講談社刊 )
である。高山博氏は西洋中世史が専門の歴史学者であるが、東大とエール大両方の大学院で学ん
だ経験をもとにこの本を書いている。1998 年の刊だから、安田教育研究所を設立する前に読んだ
ものである。
プロローグにこんな記述がある。父と子が週刊誌の東大の大学合格者数ランキングの記事を見
ながら会話する。
「○○、お父さんは、あと 20 年もすれば、週刊誌は海外大学ランキングをやっ
ていると思うよ。」読んだときはさして気にも留めずにいたが、今になってみると、17 年も前に
こんなことを予言していたというのは驚きだ。
本文では、
『ハード・アカデミズム』とは,新しい知を作り出す創造的行為であり,
『ソフト・ ア
カデミズム』とは,すでに存在している知を,人々にわかりやすく伝え、教授することであると
定義している。そして、日本の多くの学者は、先人や欧米の学説を解説、輸入することばかりで、
自分自身では新しい学説を創造し、世界に発表しようとしないと、
『ソフト・ アカデミズム』に対
して批判的である。
中高の教員の職務は、基本的にはこの定義でいうと明らかに『ソフト・ アカデミズム』に当たる。
がいま、大学のみならず中高も、
「学びの質の転換」が求められている。そしてそれは、学びの内
容よりは学び方の転換といった側面が強い。学び方の転換であっても、そこには学校独自の創造
性が求められると思う。自校の目指す教育、生徒の学力、教員の力量…そうしたものを踏まえて、
自校にふさわしいスタイルの学びをつくりだすこと。それが、中高における『ハード・アカデミ
ズム』になるのではないだろうか。
セミナーリポート
安田教育研究所 中学入試セミナー
2015 年中学入試から私学の今後を考える
2015年入試の分析と私学の今後を考える安田研の中学入試セミナー。第1部では入試結果分析や
応募者を集めた学校の要因などを、第 2 部では大学入試改革やグローバル化が叫ばれる時代に
あって学校の中身をどう作っていくかなどについて、各講師がそれぞれの得意分野から語りました。
講師:
第1部
入試分析
池田 亨 氏(株)エデュケーショナルネットワーク・データ課長
川東義武 氏(株)ユーデック 代表取締役
安田賢治 氏(株)大学通信 常務取締役
安田 理
安田教育研究所 代表 今年の入試に見られた数字的動向、現場での発見
池田氏
はマイナスではないかと推測されます。
一方で、受験率は上がっています。特に、2 月5日は
全体状況を振り返る
目立って上がり、各校ごとにみても受験率は若干アッ
(東京23区・多摩地区・神奈川・千葉・埼玉 )
プです。応募はマイナスですが、それなりに受験はし
ているのではないかと考えています。
群馬を除く1 都 5 県の首都圏中学入試は、公立一貫
多摩地区の応募者は、前年比でマイナスです。特に、
校を含めた受験者総数が 5 万 4,700 名ぐらいと推計して
2 月2日の午前中が大きく減っていて、3日も減ってい
います。昨年比で約1,300 名の減です。減少が大きかっ
ます。2 月1日の午後入試も少し減っています(1日の午
たのは、1つには昨年に比べて小学 6 年生の数が少な
前は増加 )
。多摩地区は受験生数が大幅に伸びた学校
かったことが理由です。
はほとんどありません。有名な大学付属校はそれなり
公立一貫校は各都県とも応募者が大きく減りました。
に受験生を集めていますが、全体的に 23区の学校に受
高倍率を敬遠した受検生が多かったと思われます。こ
験生が流れている感じがします。
れも中学受験生減少の理由です。ただし、私立・国立
の受験をみると、東京 23区では、昨年を若干上回って
●サンデーショックの影響が大きかった神奈川
いる状況です。多摩地区はややマイナス、神奈川はマ
キリスト教系の学校が日曜日に入試を行わない、い
イナス、千葉はおそらくプラス、埼玉と茨城南部もマ
イナスという状況です。
わゆる「サンデーショック」が今年の 2 月1日でした。こ
●東京23区の応募者総数は前年並み、多摩地区が減少
に変更したため、2 月1日の受験者数が大きく減って、
の影響が如実に表れたのが神奈川です。1日校が 2日
2日が増えています。東京 23 区でも女子学院などの入
小社に 2 月28日到着した分までのアンケートを集計
試日が 2日になって受験状況が変わりましたが、全体
しました。東京 23区の日程別の応募者数をみると、2
の規模が大きいため、難関校など、一部の学校の変化
月1日、2日、3日、4日のそれぞれ午前入試は昨年を若
だけでは全体の数字には表れません。神奈川の規模だ
干下回っています。一方で、5日はプラス、午後入試は
と、サンデーショックの影響が全体の数字に出てきま
昨年並みかプラスです。全体的にマイナスである状況
す。このほか、2日の午後が増えています。3日の午後
であるにもかかわらず、応募者総数は昨年並みになっ
が減っているのは、中大附属横浜が入試をやめた影響
ています。その背景には、帰国入試が増えたことがあ
です。神奈川は全体的にはマイナスです。
ります。また、2 月4日の午後入試の出願も増えました。
このほか、横浜英和が青山学院の系属化となること
最大の要因は、三田国際が非常に多くの応募者を集め
が発表されたため、非常に応募者が増えました。サン
たことです。こうした要素を総合すると、応募者は昨
デーショックの影響よりも、青山学院の方が入試への
年よりもややプラスになります。しかし、メインである
影響が大きかったと思います。
2 月1日の午前が減っていることをみると、実受験者数
2
減っています。今年は女子の受験率が低かった影響だ
●千葉は応募者増加、埼玉は減少
と思います。
また、受験者数は減っていますが、回復基調は見え
千葉は、ここ数年、応募者の前年比マイナスが続い
てきました。三大模試(四谷大塚・日能研・首都圏模
ていましたが、昨年を境に反転の様相が見えてきまし
試センター)の受験者数のこの10 年間の増減率を、9 月
た。現時点では千葉大附の入試結果が出ていないので
と11月の推移で見てみましょう。2010 年がどん底です
マイナスですが、最終的には昨年よりも上回る数字が
が、±0に戻りつつあり、11月の男子は若干ですがプ
出ると予想しています。ただし、1月20日の午前・午
ラスに転じました。女子もかなり0に近づいています。
後についてはマイナスです。21日はプラスで、25日・
9 月と11月を選んだのは、この 2 年間、受験者数が最多
26日も増加です。
なのは 9 月で、その前の 5 年間は11月が最多だったか
こうした中での注目は、麗澤が非常に多くの応募者
らです。ちなみにその前は12 月が最多で、最多の月が
を集めたことです。
「叡智コース」
(AEコース・EEコー
年々前倒しになっています。来年あたりは女子も0に
スの 2コース)を新設してコース制を開始。入試日程も
なって横ばいになるのではないかと予想しています。
1日増やした結果、応募者は激増です。これが全体の
応募者数の増加にも貢献しています。
●応募者が増えた学校など
千葉県独特の制度として12 月に推薦・第一志望入試
東京 23区の男子校は、東京都市大付が今年も応募者
を実施していますが、応募者は減っています。各校の
が増加し、5,400 名を突破しました。成城・聖学院も応
状況をみると、倍率を下げた学校のほか、定員割れの
募者・受験者とも増加、本郷・攻玉社・早稲田・佼成
学校もありました。従来は一般入試では合格が難しい
学園は応募者増加以上に受験者が増加しています。女
ので推薦入試を利用するというパターンでしたが、一
子は、東京女学館が午後入試の増設で応募者が大幅に
般入試が入りやすくなっているため、1月まで粘って受
増えました。女子学院・桜蔭・雙葉・東洋英和女学院・
験する人が多くなっているのではないかと思います。
立教女学院などはサンデーショックの影響で応募者数
埼玉は、1月10日の午前・午後とも応募者が増え、
が 20%以上増加しています。
11日午前や12日午前も増えていますが、トータルでは
23区男女校は、前年比の受験者数の伸び率が三田国
マイナスです。16日、17日、18日といった後半の日程の
際で1259%、開智日本橋で 508%、東洋大京北で 429%
マイナスが非常に目立っています。受験生は10日に集
となりました。この 3 校は従来のイメージを一新し、別
中し、その先で受験生が集まるのは12日ぐらいまでで
の学校になりました。このほか、広尾学園・国学院久
す。10日の午前・午後と11日を受けておしまいという
受験生が増えているのではないでしょうか。
我山・渋谷教育学園渋谷・東京農大一・順天などの応
●学校の種類別(男子校・女子校・男女校 )
いのですが、吉祥女子の応募者がやや増加、男女校で
募者が増加しています。多摩地区は全体的におとなし
は聖徳学園の応募者がかなり増えています。
東京・神奈川の男子校、女子校の応募者を見てみま
神奈川は、男子校では午後入試を新設した鎌倉学園
す。千葉・茨城・埼玉は男子校・女子校が極端に少な
が応募者数増加です。女子校では青山学院の系属化へ
いので、集計からは外させていただきました。
の期待から横浜英和の応募者が大幅に増加しました。
男子校は、京北が共学化したほか、学校ごとに増減
本来の同校の水準よりも高学力層の受験もあったよう
がありますが、全体の応募者数はほとんど変わりませ
です。男女校では、桐蔭学園が新設した午後入試が引
ん。男女校の男子は、応募者数がじわじわ下がってい
き金になって応募者が大幅に増加しました。
ます。これが男子校志向の影響なのかは何とも言えま
千葉は、麗澤が新コースと入試増設で応募者・受験
せん。例年、共学化に伴って受験生が大幅に増えた学
者ともに大幅に増加しています。昨年も増加していま
校が話題になりますが、実際に合計でみると減少です。
したので、勢いがさらに加速しました。埼玉は、今年
1人当たりの出願が減っているのが影響していると思わ
も栄東が圧倒的で応募者は合計で1 万人を超えました。
れます。公立一貫校も応募者が大幅に減少しています
特に入試に変更はありませんが、東京など県外からも1
が、男子の応募が大きく減った影響が出ています。
月10日は同校が定番になってきたようです。このほか、
女子の応募者は「女子校の応募者」が大多数を占めて
城北埼玉が算理の午後入試の新設がけん引役となり、
います。ただし、全体では多数派ですが、毎年確実に
応募者が増えています。
減っています。この状況が続くと、多数派の維持も時
合格最低点が昨年よりも上がった学校・入試を、5%
間の問題かもしれません。男女校の女子の応募者数の
以上・10%以上の 2 段階でピックアップしてみました。
合計は昨年と変わりませんが、一昨年と比べてやや
3
10%では、確かに難しかっただろうな、と思う学校が
多摩地区は男子校・女子校・共学校を合わせて見て
抽出できましたが、5%では 2 月1日午前の東京・神奈
も、増えている学校は少なく、減っている学校が目立
川の学校が案外多く見られました。5%だと必ずしも難
ちます。
化したとは言えないのですが、予想よりも多く抽出さ
神奈川は、男子校で10 名以上増えているのは、桐光
れましたので、第一志望の受験が安全・堅実志向に
学園の男子部しかありません。一方で、10 名以上減っ
走っている結果かもしれないと思います。
ている学校は 8 校もあります。女子校は例年とは逆に
「増加の学校が多く、減少校は少ない」という傾向が出
〈安田理(安田教育研究所 )
〉
ています。これはサンデーショックの影響です。横浜
英和は前出のとおり青山学院の系属化の影響、カリタ
学校種別にみる傾向とその背景
スは午後入試の設置で応募者が増えました。共学校は、
中大附属横浜①・公文国際学園 A・横須賀学院①など
●今年の入試に表れた新しい傾向
が 10 名以上の増加です。中大附属横浜は 3回入試を2
回にしたので、1回の応募者が増えたと考えられます。
池田さんから全体状況の話がありましたので、私の
東海大相模は入試回数を増やして応募者も増やしてい
方からは学校種ごとの話をさせていただきます。
ます。
付属校は、男子校・共学校は概ね苦戦していますが、
これは現在の受験生の家庭が、進学校に進ませ、大学
千葉・茨城南部は、麗澤が増加数 347 名でダントツ
は国公立や理系を狙わせたいと考えている志向の反映
です。しかし、10名以上増えている学校は6校で、10名以
だと思われます。また、キリスト教系も同様で、男子
上減っている学校が圧倒的に多いという状況です。
校・共学校は苦戦でした。ただし、女子校はサンデー
埼玉の10 名以上の増加は、800 名以上増えた栄東 A
ショックで入試日を2日移動した学校が多数あったた
のほか、埼玉栄(進学① )
・城北埼玉①・浦和明の星女
め、1日校・2日校とも応募者は増えています。
子①・東京農大三①(総合理科 )です。城北埼玉①は新
設した特待入試での増加の影響です。しかし、全体で
また、新しい傾向として、これまで東京都内だけだっ
は減っている学校が圧倒的に多いです。
た「適性検査型入試」が、埼玉の聖望学園、千葉の聖徳
大附属女子、神奈川の横浜と、3 県にも広がっています。
首都圏模試の偏差値 49 以下で増えた学校を探してみ
一方で、公立一貫校は大半が受検者減であり、適性検
ると、男子では佼成学園だけです。女子校では 8 校、
査型入試の受検者も来年以降は頭打ちになるかもしれ
共学校では12 校ありました。女子校で 62 名増の白梅学
ません。ただし、今後の大学入試は「合教科・科目型」
園清修①午前は 75 名の応募者のうち59 名が適性検査
型の受験生です。同様に、神田女学園①は 52 名のうち
(個々の教科・科目の範囲にとどまらず、複数の教科・
41 名が適性検査型です。
科目の内容を教科横断的・総合的に組み合わせて出題)
に進むので、適性検査型入試の作問に私学の先生方が
適性検査型の入試を分析すると、各校が何回か入試
慣れておくことはプラスではないかと思います。今年
を行うなかで、適性検査型の応募者数がいちばん多い
の入試問題をみても、難関校の入試問題の中には、教
ケースが目立ちます。総応募者数を増やすには、適性
科別であっても合教科・科目型の問題を意識して作問
検査型入試の導入が有効とも言えます。
している学校がありました。
●付属校・キリスト教系の学校の状況
「グローバル」を冠したコースに受験生が集まったの
付属校の受験者の推移をみると、男子は前年よりも
も今年の入試の特徴です。英語入試や理数入試も広
受験者が増えた学校が少ないことがわかります。遡っ
がっています。
てみても減っている学校が多い年が目立ちます。女子
●応募者が 10 名以上増加した学校
は男子と比べると、増えている学校が目立ちます。
特に、
日本女子大附属が、3 年連続の増加になっています。
総応募者数は募集要項の変更でかなりの変動がある
ので、その学校の第 1回入試に着目しました。第 1回入
立教女学院も2 月2日に移動し、久々に増えました。共
試で応募者が 10 名以上増加した学校を抽出しました。
学校も付属校はあまり受験者は増えていません。偏差
東京の男子校は、東京都市大付・攻玉社・本郷・早稲
値帯別での受験状況を調べましたが、男子は明確な傾
田などで、女子校は女子学院・恵泉女学園 A ①・東洋
向が見出せませんでしたが、女子は難しい学校が増え、
英和女学院 A・雙葉・桜蔭・鷗友学園女子①・大妻①
易しい学校は減っているという傾向が見られました。
キリスト教系の学校でも男子校は受験者増加校が少
などです。共学校は、今年は三田国際・開智日本橋・
なく、しかも年々縮小傾向にあります。女子校はサン
東洋大京北がベスト3になっています。
4
安田賢治氏(大学通信 )
デーショックの影響で増えている学校が目立ちますが、
遡ってみても男子校よりは受験者増の学校が多くなっ
昨年の大学合格実績は
今年の中学入試にどう影響したか
ています。
カトリック系でも2日に入試日が移動した学校があ
り、増えている学校が多いです。逆に、白百合学園や
●「東大+京大 」の合格者増で中学の応募者は…
光塩女子など 2日がもともと第 1回入試の学校は受験者
中学入試では、大学合格実績が向上すると、翌年の
が減ってしまいました。共学校は厳しく、遡ってみて
応募者が増えると言われますが、実際には学校によっ
も男子校以上に受験者が増えた学校は少ないです。唯
て増減があります。2013 年と比べて 2014 年に「東大+
一今年増えたのは聖望学園ですが、これも適性検査型
京大」の合格者が 1人以上増えた学校は 66 校で、その
入試を導入した影響でしょう。
うち、今年の中学入試で応募者が増えたのは 38 校です。
●「国際 」や「グローバル 」などのコース
合格者が 0 名から1 名や 2 名になった学校は、インパク
トがあるためか、増えているところが目立っています。
「国際」や「グローバル」という名称を冠したコース
早稲田は「東大+京大」の合格者が 16 名増えているの
を抽出して応募状況を見てみました。実践女子学園や
で、応募者が 287 名増ですが、栄光学園では合格者が
東京女学館などの国際学級は以前からありますが、近
12 名増えていても応募者は 3 名減などと、偏差値との
年の広尾学園や春日部共栄や今年新設の神田女学園・
関連もあるかと思います。
開智日本橋・三田国際・麗澤にもかなりの応募者があ
では、全体で見るとどうか。判明している1人以上
りました。
増えている学校は、応募者数合計で 4.7%増(公立一貫
広尾学園のインターナショナル SG は国内生対象で、
校を含む )です。公立一貫校を除けば 5.9%の増加です。
これとは別に「授業がすべて英語」という帰国生対象
したがって、東大・京大に合格者を送り出すことは、
の AGコースがあります。基礎から英語力を伸ばした
生徒募集に効果があると言えます。
いというSGコースに、男子 117 名、女子 221 名もの応
来年の入学者から東大は後期入試(定員100 名)がな
募者があったことは注目されます。
くなり、推薦入試になります。一般入試で入学するチャ
入試科目で今年急に増えたのが英語入試です。何
ンスは1回だけになります。推薦入試と言っても2 段階
らかの形で英語を入試に活用した学校が 32 校もあり
選抜に合格するだけの力を求められますので、セン
ました。進学塾の生徒だけでは中学入試が広がらな
ター試験で 8 割とっている必要があります。数学オリン
いため、英語教室に通っている中学受験を意識して
ピックや理科のオリンピックでメダルを獲得など秀で
いない人や、在外期間が短かったり帰国してから年数
たもののある人が対象で、12 月に面接などがあります。
が経過しているなどの“隠れ帰国生 ”を獲得する狙い
また、京大では「特色入試」が始まります。学部別の募
があります。
集で、一定以上のセンター試験の成績と評定平均値が
入試科目が「英語だけ」という学校はごく少数で、大
必要になります。このように学力選抜だけでない、新
多数は「英語 +国語か算数の1 科」あるいは「英語 +国
たな方式が始まります。
語・算数」です。これは入学後に進学塾で勉強してきた
東大に多くの合格者を送り出している高校にとって
生徒と比べ、国語・算数で学力差が大きいと授業をし
は、12 月の大事な時期に面接があることになりますが、
にくいという事情があるためと思われます。ちなみに、
推薦入試の実施は「地方から受験してほしい」という狙
英語を含めた 5 科という学校はありません。入試で英
いからです。東大はセンター試験と2 次試験の比率が 1
語の試験を課す場合には、入学後も英語の 4 技能(聴
対 4なので、2 次で高得点しない限り、合格はできませ
く・話す・読む・書く)を伸ばす方向に授業をもって
ん。首都圏の進学校は、東大をはじめ国公立大を受け
行っていただきたいと思います。2016 年には、大妻中
る場合は 2 次対策を中心にやっています。地方の国立
野と山脇学園でも英語入試の導入が発表されています。
大学はセンター試験で高得点をとれば、2 次の比重が
また、算数と理科だけの「理数入試」にも受験生が集
小さいので、それで合格が可能です。そのため、地方
まっています。女子の受験生も少なくありません。こ
の公立高校は基本的にセンター試験対策中心です。東
うした入試科目もターゲットになるのではないかと思
大の推薦入試は、こうした受験生を受け入れることを
いました。公文国際は以前からですが、公文式をやっ
想定しているのです。推薦入試の実施によって、高校
ていた人を念頭に「数学」でも受けられます。埼玉栄に
別の大学合格者ランキングも変わってくることが予想
は難関大クラスの 2回の入試で「国・算」か「算・理」と
されます。
いう選択があり、後者でも女子が 74 名受験しています。
5
も国際系学部は今年は人気が今一つでした。この背景
●「早大+慶大 」の合格者数でみる志願動向
には、文部科学省が始めた SGU
(スーパーグローバル
次は、
「早稲田大+慶応大」の合格者数から、中学入
大学創成支援 )という支援事業の影響があります。わ
試の志願動向を見ていきます。数字の中には公立一貫
ざわざ国際系学部に進まなくてもSGUに行けばよいと
校も含まれています。早稲田・慶応ともに合格者ラン
いう考えが生まれています。SGUに指定されている立
キングトップの開成は合格者 79 名増で応募者は 36 名の
教のほか、東洋も受験生が 2 万人増えています。
増加、本郷は早慶の合格者 129 名増で応募者 551 名増、
●女子の躍進に 6 年前のサンデーショック ?
フェリスは 40 名の増加で応募者 80 名増、東京都市大付
も合格者 43 名増で応募者は178 名増加です。先ほど名
女子校の躍進が目に付いたのも、今年の大学入試の
前の挙がった麗澤も早慶の合格者が増えており、こう
特徴です。2014 年は上智大の合格者ランキングのベ
した大学合格実績も応募者増の要因になったのかなと
スト10 に女子校は 2 校しか入っていませんでした。し
思います。付属校は人気が下がっているため、早慶の
かし、2015 年は 1 位が女子学院(66 名 )
、2 位が豊島岡
合格者が増えても応募者が増えていないところもあり
女子学園(57 名 )、3 位に同数(53 名 )で淑徳与野・白
ます。
百合学園、7 位に頌栄女子学院(52 名 )
、8 位に雙葉(50
前年に比べて早慶の合格者が 5 名以上増えた学校に
名 )と 6 校 入っています。その理由は何か。1 つは、
ついて、判明している応募者合計でみると、応募者は
2009 年のサンデーショックです。この年の入学者が初
4.2%増でした。これを「10 名以上」でみると58 校で
めて大学入試に挑んだのが今年です。サンデーショッ
5.3%増、
「20 名以上」は 41 校で 5.7%増となってきます。
クによって、共学校よりも女子校に優秀な人が集まっ
東大・京大もそうですが、早慶の合格者の増加も応募
た、もしくは他校に流れずに女子校にとどまったとい
者増に直接響いてくることが明らかです。
う考え方ができます。これは上智だけでは判断できな
いので、これから東大などの合格者数で見ていかなく
●大学の志願動向は現役志向、安全志向、地元志向が継続
てはなりません。なお、速報値が出た早稲田の数字で
も、女子校は合格者が増えています。
今年の大学入試は、昨年に続いて現役志向、安全志
向、地元志向でした。また、今年は新課程入試でセン
また、今年の上智は TEAP
(ティープ )利用型入試を
ター試験の平均点が下がりました。センター試験史上 2
導 入 し ま し た。TEAPと は、
「Test of English for
度目の得点調整が理科で行われました。国公立大は約
Academic Purposes」
(アカデミック英語能力判定試験)
1 万人の志願者減で、私立大は微増です。センター試
の略語です。上智と英検(日本英語検定協会 )が共同開
験の平均点が上がらないと、受験生は弱気になり、難
発したテストで、年 3回受検できます。事前に受検し
関大学の志願者数が増えなくなります。
たTEAP のスコアが、各学科が指定した得点を超えて
昨年、予備校関係者から聞いた青山学院と早稲田に
いれば、英語の試験はなしで、国語と選択科目を受験
ダブル出願した受験生の話です。早稲田が本命だった
します。上智では 4 技能(聴く・話す・読む・書く)の
が、弱気になって青山学院を受けました。しかし、早
うちの「読む(Reading)
」
「 聴く(Listening)
」の試験の
稲田が雪のために再試験をしてくれ、その受験生は早
200 点を使っています。募集人員384 人に対して 9,000
稲田も後で受けることができました。結果は、青山学
人以上が応募しました。全学部 1回で行うので第 2 志望
院に合格し、再試験の早稲田も合格しました。最初か
も希望でき、実質倍率はもっと低いと思います。上智
ら強気で早稲田を受けていても合格していただろうと
は第一志望の女子が多く、TEAP 試験を受けた女子も
いうことです。弱気になるのは、大学入試ではマイナ
多かったのではないか。それで女子校の合格者が増え
スであり、実績があれば強気で受けることが大事にな
たということも考えられます。
ります。
●今年の中学入試で保護者に最も訴求した項目
2008 年のリーマンショック以降、高校生や保護者に
は「手に職」という考えが強くなり、
“理高文低 ”という
次に、私どもは首都圏 319 の中学受験の学習塾の塾
傾向がありました。昨年あたりから文系の学部卒業生
長・教室長に対し、
「部活動に力を入れている」
「生徒
の就職状況が好転してきたため、今年はこれに歯止め
や保護者に勧めたい」
「保護者に人気がある」など、い
がかかり、文系人気が復活しました。医学部や薬学部
くつかの項目について該当する学校名を挙げていただ
は 6 年制で、理工系も大学院に行くことが当たり前にな
くアンケートをとっています。5 校連記で最初に挙がっ
り、学費がかかります。文系は学費が安く、これも人
た学校を5ポイント、次を4 ポイントなどとしてランキ
気復活に影響しています。しかし、文系人気と言って
ングを作成します。これらのデータに載った学校につ
6
いて、今年の入試の応募者の増減を集計しました。
場し、700 名の受験という大変な人気になりました。入
今年志願者の伸び率が高かった項目の1 位は「部活動
試日は 4日目なので、700 名のうち300~400 名は私立も
に力を入れている」
(昨年 6 位 )で、2 位が「伸び伸びとし
受験したのではないかと言われています。
た教育を行っている」
(昨年 3 位)
です。一方で、昨年トッ
奈良は、初日の1月17日にトップ校の試験がありませ
プだった「理数教育に力を入れている」
、2 位だった「生
ん。東大寺学園や西大和学園は 2日目以降で、県内の受
徒や保護者に勧めたい」などは応募者がマイナスにな
験生は入試初日に他府県に行きます。交通網が発達し、
り、順位を下げています。
「面倒見が良い」は昨年 9 位
奈良から兵庫の三宮まで電車で簡単に行けるなど、県
で今年も10 位で、あまり保護者に訴求できていません。
外に行きやすくなったことで受験生が減っています。
面倒見が良いのは保護者からは当たり前と思われてい
●女子校・プレテストなどの状況
るのかもしれません。
女子校は、どの府県も受験生が増え、2013年当時の状
川東氏
況に戻りました。大阪や兵庫などでは女子校フェアを積
関西圏の中学入試はどう変化しているのか?
て「共学校に行かなくても女子校の方がいいよ」などと、
極的に行い、在校生がダンスなどのパフォーマンスをし
女子校のよさをアピールしています。また、首都圏で浸
●昨年の状況がウソのように改善した関西入試
透している午後入試が関西でも広がっています。今年は、
関西の中学入試の状況は泥沼ではないかと想像して
初日が昨年の32校から45校に増加、2日目も28校から37
いる方もいるかもしれません。しかし、2011 年を頂点に
校に、3日目は11校から14校に増えています。
2014 年まで減ってきた関西圏の中学受験生は、2015 年
関西には特有の入試システムとして「プレテスト」が
は増えています。受験者数を小学校 6 年生の数で割った
あります。これは、本番の 2~3 か月前に志望校に行っ
「受験率」は、2008 年の10.3%から2014 年は 8.9%に下
てテストを受け、本番の入試で通るか通らないかのデー
がっています。これが 2015 年は 9.2%に上がっています。
タをもらい、1月17日の入試を受けるという制度です。
府県別では、大阪・兵庫・京都で受験生が増え、奈
周囲の学校が始めると、結果として受験生を奪われる
良・和歌山が多少悪いという状況です。大阪の私立は、
ため、本校だけはプレテストをやめておこうという学校
中学から高校に進学すると、高校の間は相当の額を大
は出てきません。プレテストの増減で応募者が予想でき、
阪府が助成してくれます。しかし、中学入試の時に他
減っていると、本番の応募者も減っていることになりま
府県に行くと助成金を放棄することになり、大阪は府外
す。したがって、1回やるとやめられません。
に出る受験生はいないけれど、府内に流入する受験生
灘には、首都圏から多くの生徒が受験に来ています。
はいるという市場です。今年の大阪は兵庫の東部(主に
2003 年には10 名もいなかった首都圏組が 2015 年は110
尼崎 )から受験生が来ています。兵庫は、私立助成がな
名ほどが受けています。初日の1月17日に入試を行い、
いので、どこを受験しても関係ないからです。京都と兵
3日目に合格発表をするのですが、首都圏の開成・麻
庫は確実に受験生が増えましたが、大阪は府内の受験
布・筑波大駒場などの合格発表が始まる2 月5日、6日
生はあまり増えていないのではないかと思っています。
ぐらいから灘では追加合格を出します。灘が追加合格
京都の受験生増加は、私学・私塾一体となった受験
を出すと、ドミノ倒しで関西の各校が追加合格を出すと
生の掘り起こしが要因です。学校展や入試相談会など
いう状況になっています。
京都府中高連の主催イベントが年間13回あります。初
グローバルな社会課題を発見・解決できる人材や、
の試みとして 4 月に「KYOTO 私立中学フェア」が行わ
グローバルなビジネスで活躍できる人材育成への取り
れました。同じ日には、大手各塾がブースを設けた説明
組みとして、文部科学省の「スーパーグローバルハイス
会をしているので、生徒は集まらないとみられていまし
クール」
(SGH)認定がありますが、関西ではこれが入試
たが、ふたを開けたら大盛況。個人塾や中小塾の生徒
にも影響を及ぼしています。立命館・立命館宇治・関
を動員した結果、受験生の掘り起こしができたと考えら
西大学・関西学院などの SGH 指定校は応募者数を増や
れます。
していますし、京都では SGHアソシエイト(SGHに選ば
兵庫の受験生増加は、神戸大附属という国立系中等
れなかった学校から全国で 54 校を選定 )の京都学園高
教育学校の開校による相乗効果です。兵庫では、灘・
校の付属中学校が好調でした。京都は洛洛同立(洛南・
神戸女学院・甲陽に、六甲・神戸海星女子学院を加え
洛星・同志社・立命館 )が名門とされていますが、SGH
たのがトップ 5 で、神戸大附属はその少し下にランクさ
アソシエイトを京都学園がとったことで、その仲間入りを
れると考えられていました。実際には、4 番手として登
したというイメージを受験生や保護者に植え付けました。
7
●関西で応募者数を増やした学校
います。新校舎が完成し、温水プールや屋外庭園など
の設備も充実し、給食もあります。兵庫から通いやす
総応募者数の伸び率では、704 名増やした金蘭千里
いという立地の良さもあります。3 位の甲南女子は、
がトップで、開明・甲南女子などが続いています。金
300 名ぐらい応募者が増えました。6 年ほど前にアドバ
蘭千里は、2014 年度東大 2 名、京大 5 名、阪大 20 名
ンストコースというコース制をとり、1 期生が 2014 年の
といった具合に大学合格実績もまずまずの学校です。
大学入試で、東大 1 名・京大 5 名といった実績を出しま
他方、学園生活は堅苦しく、クラブ活動は男子はサッ
した。受験したのも東大 1 名・京大 5 名です。受験した
カーだけ、女子はバレーボールだけしか認められてい
人が全員合格したのは、女子の親にとって非常にいい
ませんでした。しかし、2015 年はクラブ活動を拡充し、
学校に見え、大ブレイクしたようです。
受験回数を増やたりして改革を行いました。注目は、
龍谷大付属平安は 2011 年に35 名だった入学者が、
これらの改革が上からの指示ではなく、若手教員が
2015 年は145 名になり、改革が成功しました。改革推
プロジェクトを組んで実現させたということです。こ
進をする校長補佐を外部から招へいしたのです。首都
れからも成長は止まらないのではないかと言われてい
圏の学校でも、改革を進める人がいれば、変わること
ます。
ができるのかなと思います。
応募者の伸び率 2 位の開明は大学合格実績が伸びて
第2部
私学へのアドバイス
新しい大学入試、グローバル社会に向けて何をすればいいのか?
安田賢治氏(大学通信 )
題すると発表されています。やがては、国語や英語な
どの教科型の出題を廃止し、
「言語」という科目で英語
2021 年から大学入試はどう変わるか
と国語を一緒にしたような問題を出すことが予想され
ます。したがって、現在の学習では対応できず、中高
●新しいテストの実施を提言した中教審
では新たな取り組みを同時に学んでいくことが求めら
中央教育審議会が「新しい時代にふさわしい高大接
れます。今までのような座学ではなく、生徒同士の議
続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学
論など活動的な要素を取り入れたアクティブラーニン
者選抜の一体的改革について」という提言をまとめて
グのような形式で鍛えていくことになります。
います。その中には「人が人を選ぶ」個別選抜の確立や、
中教審の提言で大学関係者が怒っているのは「段階表
センター試験を廃止して「①高等学校基礎学力テスト」
示による成績提示」です。センター試験は全員に得点と
と「②大学入学希望者学力評価テスト」
(ともに仮称 )を
いうものがあります。ですから、2 段階選抜が可能です。
実施するという内容があります。①は 2020 年から、②
センター試験の受験者が 56 万人ですから、仮に、10 段
は 2021 年からです。①②とも、今年中学に入学する1
階表示であれば、1 段階に5 万 6 千人がいることになり、
年生が受けることになります。①は年 2回ほどで高 2 の
選抜には使えません。たとえば、最高の「A」判定に5
受験が可能。夏から秋に実施します。②は年複数回実
万 6 千人がいて、全員が東大に出願したらどうなるか。
施で、記述式問題が必須です。世界各国で大学入試の
差が付かないので、大学が 2 次試験をするのですが、5
共通試験は行われていますが、マークシート方式のみ
万 6 千人に試験をどう行うのか。今、東大は 2 段階選抜
で判定しているのは米・英・独・仏・韓・日の中で日
をしているので受験者数は7800 人ほどですが、段階成
本だけです。問題の難易度は、簡単なものから難しい
績では 2 段階選抜ができません。代わりに考えられてい
ものまで広範囲ということです。
るのは、東大が独自の1次試験をすることです。共通 1
次が始まる前は、東大が独自に作った1次試験を行い、
●「大学入試希望者学力評価テスト 」
(仮称 )の行方
その合格者を対象に2 次試験を行っていました。こうし
センター試験に代表される日本の大学入試は、
「全員
たことをやるのではないかということです。しかも、出
を合格させることができないので受験生を落とす」とい
願資格は共通試験で最高段階をとることです。受験生
う試験です。これを「大学入学希望者学力評価テスト」
にとっては負担が非常に大きくなります。
私立大も現在のようにセンター試験の成績だけで合
にして、大学教育に必要な思考力や判断力、表現力を
判定しようというのです。科目は、従来と同じ「教科型」
格を決めることができなくなります。共通試験を受け
のほか、
「合教科・科目型」
「総合型」を組み合わせて出
た受験生にも、必ず大学独自の試験を行わなければな
8
りません。だったら、一般入試だけでいいのではないか
てはなりません。
という話になります。
このほか、高校教育の見直しも提言され、
「思考力・
ほかに、記述式の問題を誰が採点するのかという問題
判断力・表現力」を養成していくことが示されています。
があります。現段階では、採点は試験を利用する大学の
「何を教えるか」ではなく、
「どのような力を身につけさ
教員ということになっていますが、これもアレルギーが
せるか」が重要になるのです。
大きいです。負担も大きく、記述式なので採点者で差が
新しい共通テストは中高一貫校が有利になることは
出てしまうなどの問題点もあります。小論文や面接など
間違いありません。センター試験に代わる試験を高 2 で
も出ていますが、5 万 6 千人の判定は事実上無理であり、
受験できるということは、一貫校の方が有利です。高校
こういう形にはならないだろうとみられています。
から入ってきた生徒は1 年余りで準備しなくてはなりま
それから提言の中には「民間の検定試験」の活用があ
せんが、一貫校は 4 年間あるわけです。しっかり身につ
ります。まずは英語で、先ほどの TEAPもその1つです。
けさせ、高 2 である程度よいスコアをとって(しかも何
立教は来年の大学入試でこれを使い、グローバル方式
回も受けられる)
、高 3は志望校対策に充てられます。
という新しい選抜を始めます。上智以外でも広がりつつ
高校だけの学校では、1 年あまりでそこまでのレベルに
あるので、高校で TEAP や TOEIC、TOEFL、英検な
達するのは容易ではありません。
どを受けておくことが大切になってきます。
また、文部科学省は、大学の卒業論文のような課題
また、中教審は「アドミッションポリシーに基づき、積
探求を行う「総合的な学習の時間」の充実を言っていま
極的な活用」ということも提言しています。事例はある
す。私立一貫校でも卒業論文を書かせていますが、高
大学の経営学部のものですが、これを読んだだけでは、
校教育でこうしたことをしようとしているのです。そう
どんな入試問題になるかはわかりません。一般的なこと
いう点でも、私立は先取りをしているのですから、有利
が書かれていますが、どこに重きを置くのかわかりませ
になってくるのではないかと思っています。
ん。他の大学も同じようなものが載っています。今後、
●高大連携で受験生の新たな流れを
アドミッションポリシーも変わらざるを得なくなります。
関西学院大学では、英語などの教育法を高校に行って
(仮称 )
●大検の役割を担う「高等学校基礎学力テスト 」
ノウハウをレクチャーするという実践が始まっています。
東京の私立中高でも関西学院と提携するところが出てき
提言は「高等学校基礎学力テスト」
(仮称 )について、
「高校の指導要領を踏まえた問題で学習の達成度を測る
ています。関西学院としては東京に進出して、そこから
試験」としています。このテストは学習の達成度を測る
受験生を獲得したいという思いがあります。こうした形
試験で、検討されているのは昔でいう大検、現在の大
で高校と連携するという大学が出てきているのです。
学入試資格検定との連動です。つまり、それほど基礎
付属校を持つ大学などでも中高との連携を深めて、文
的なテストというわけです。教科・科目は
「国語総合」
「数
部科学省が示す新しい教育に対応していく、入試自体も
学Ⅰ」
「世界史」
「現代社会」
「物理基礎」
「コミュニケーショ
思考力・判断力・表現力を問うような入試委員会を学内
ン英語Ⅰ」などを必修科目とする予定です。
に立ち上げている大学が出てきています。そういう意味
では私立大の入試も変わっていくように思います。
英語は民間の資格・検定試験も積極的に活用し、段
状況の変化の中で、私立一貫校が優位に立っている
階別表示による成績提供、学校や生徒の序列化になら
ないように配慮するということです。試験場は高校単位
ことは間違いがないのですが、それに満足することな
での受験の場合は高校、個人は都道府県ごとに会場を
く、さらにその一歩先を行く教育が求められています。
設置します。
それが新たな大学入試制度になっても乗り越えていけ
る力になるのではないかと思っています。
●入試の区分を見直し
川東氏
大きく変わるのは入試の区分です。一般、推薦、AO
入試の区分を廃止して新ルールにする計画です。高等
関西での取り組みにみる“これからの私学の在り方”
学校基礎学力テストを受けて、その後に面接や小論文
で受験する方式を採用し、推薦や AO 入試に当たるもの
●国公立への合格率が中学志願者に影響
を考えているようです。2014 年の私立大入試でいうと、
一般入試は 5 割を切る状況で、推薦入試も減っていま
私立中学を受験させる保護者の動機の1つは「人格形
す。一方で、AO 入試が増えています。この枠組みが変
成」です。ほかに「大学進学」や、私の子だけは守って
わるということは、入試の考え方自体も変えていかなく
ほしいなという「安全」があります。中でも、大学進学
9
への関心は高いものがあります。
ス(60 名募集 )
、特進コース(110 名募集 )を含めた全体
卒業生のうち何割が国公立大に合格しているかとい
の応募者は昨年の 714 名から891 名に増えています。
う国公立合格率(国公立大合格者÷卒業生 )という指標
もう1つ女子校で紹介したいのは和歌山信愛です。森
を出してみました。関西圏の1 位は東大寺学園で102.8%
田登志子という校長が「女の子は家の中心になってはい
です。浪人生ががんばると、100%を超えることもある
けません。ご主人を立てるような女性になりなさい」と
のです。以下、甲陽学院・大阪星光学院・灘・洛星・
か、
「会社でのコピーとりを嫌がらない。嫌だったら、
白陵・智辯奈良カレッジなどが続いています。データが
男性と同じように 50㎏の荷物を運ぶ仕事もやりなさい」
フォローできる132 校までを並べてみると、合格率 20%
といった社会における男女の役割分担などを徹底して
で「中学受験の応募者が定員を充たしたか否か」という
説いて、女子校としての進み方を明確にしています。保
ラインが出てきました。
護者からの信頼感も絶大です。
国公立合格率 20%
(上位 50 位 )までで定員を充たした
改革に次ぐ改革を行っているのが、西大和学園です。
学校は 36 校で、72%を占めています。一方、51 位以下
2011 年には英会話スクールのベルリッツと提携、2012
の学校で定員を充たした学校は 29 校で、充足率は 35%
年に地方会場入試、2013 年は東大合格 50 名以上を目指
です。しかし、定員を充たした学校の大半が付属校で、
し学内予備校を開設、2014 年は SGH の認定取得と共学
付属校を除くと、浪速・近江兄弟社・賢明学院(大阪 )
化、iPad 導入と大和大学(大阪府吹田市 )の開学があり
の 3 校だけです。わずか 4%の学校しか定員充足してい
ました。その内容は、
『田舎の無名高校から東大、京大
ないのです。
にバンバン合格した話』
(田野瀬良太郎著・主婦の友社
国公立合格率 20%を超えていても、定員充足してい
刊)という本になっています。
ない学校が 14 校あります。しかし、このうち10 校は、
最後に、大学進学だけが伸びる条件ではない事例を
2015 年度入試では応募者増となっています。近畿大学
紹介します。関西で 3 年連続応募者が増えている学校に
附属和歌山・金蘭千里・柳学園・開智・初芝富田林・
華頂女子(京都 )
、大阪国際大和田、京都聖母学院など
清風などは入試状況が改善しました。2015 年に応募者
があります。華頂女子は仏教系大学の付属校ですが、
増とならなかった 4 校(智辯奈良カレッジ・奈良学園登
入試では非常に厳しい状況でした。そこで、
2012 年から、
美ヶ丘・聖心中等教育学校・大阪学芸中等教育学校 )の
「生活習慣だけはきっちりする」という方針を打ち出し、
うち、3 校が奈良県です。奈良では地元の市場が厳しく
保護者から人気を得ました。少しずつですが応募者を
なっている証拠でもあります。しかし、これらも2016
増やしてきています。大阪国際大和田は校長先生が民
年は改善するとみられています。
間出身です。京都聖母も女子校です。大学合格実績も
重要ですが、規律や礼儀を重んじた教育がしっかりな
●特色を打ち出すための各校の取り組み
されていることも大切という話です。
滝川(兵庫 )は 2008 年ごろから入試の応募者が厳しく
池田氏
なり、2013 年には 2回入試を3回入試にしたりしていま
す。2015 年は「future 選抜コース」を新設し、2014 年度
2020 年に受験生はどこにいるか
までの入試では入学できなかった層の募集を開始しま
した。この学校のコース募集は「医進 G
(グローバル )
/
●地域により小 6 生の増減に大きな差
医進」が 45 名、
「理進」
85 名、
「future 選抜」
30 名です。
future 選抜は1 年間徹底的に指導をし、中 2 で全員の他
中学受験生獲得のためには、中学入試のすそ野の拡
の上位コースへの編入を約束するコースです。現在は
大に努めていかなければなりませんが、それには人口
学力不足だが、将来的に伸びるという30 名を入学させ、
動態も考える必要があります。学校基本調査を基に、
鍛え上げるという勝負に出たわけです。しかし、1 年後
現在の小 6と2020 年の小 (
6 現在の小1)の人数の差を調
に上位コースに達しなかったら、信頼を失います。
べてみました。東京は1.7%増加、神奈川は 2.1%減、千
時代の変化に対応したのは女子校の大谷(大阪 )で、
葉は 5.1%減、埼玉は 3.9%減です。トータルでは1.6%程
凛花(りんか )コース60 名の募集をしました。凛花コー
度減るのですが、東京だけが増加です。つまり、東京
スとは、高原に凛と気高く咲く一輪の花のようになって
一極集中です。23区は 4.6%も増えます。現在の小 3 が
ほしいという願いの下につけた名称です。新時代に生き
人数的には最少ですが、現在の小 2は現在の小 6を上回
るグローバルな女性づくりをコンセプトにコミュニケー
り、小1になると20 年ぶりの水準になります。なお、川
ションやプレゼンテーション能力を鍛え、2020 年の入
崎市は 5.0%増、江戸川区は 4.1%減と、東京、神奈川の
試に対応するコースです。これが当たりました。医進コー
中でも地域差があります。
10
小 6 増加ベスト20として各市区をみると、最も増える
ション能力やチームワークなど、ペーパーテストでは測
のは江東区です。続いて、世田谷・品川・港・杉並と
定しにくい内容も含まれます。
「本校で6年間学ぶと、こ
いう都内各区が並び、川崎市中原区が 20 位です。一方、
ういう力が身に付く」ということがきちんとアピールでき
減少は最大が松戸市で、浦安・川口・横須賀・町田の
ることが必要です。もっと言えば、主体的に学ぶ力(教
各市、横浜市青葉区、江戸川区と続いています。
室外学習、主体的に取り組む態度)や入試圧力、成績評
こうした状況になることを意識する必要があります。
価圧力ではない学習姿勢も大切です。さらに、高い将来
減少地区からの受験生が多い学校は、当然、将来は受
の意識と豊かな対人関係を持ち、さまざまな活動に参加
験生が減ることになります。受験者数を維持するには、
できる、論理的思考・批判的思考ができる、ルールを守
減少地区の中学受験率を上げるか、受験生が多い地区
る一方で積極的にルールの新設・改廃に取り組める…な
からの受験生を増やしていくしか方法がありません。
どを身につけていくことが大事だと思います。
では、小 6 生増加地区からの受験生が多い学校はどう
先生方とお話をしていると、
「大学に行ったら何とか
なるのでしょうか。減少地区への依存度が高い学校が、
なるよ」
「働くようになったら何とかなるよ」という声も
受験生の減らない地区から受験生を集めようとするの
耳にしますが、これは問題を先送りしているだけで、そ
で、言葉は悪いですが、
「うちの畑が荒らされる」とい
れぞれの学年なりの到達目標が必要だと思います。○
う状況が予想されます。本来は、中学受験率の拡大の
○学園に入学する=6 年後の成長した自分に向かって歩
ために、私立一貫校の優位性や魅力などをアピールす
み始めることと、自信を持って言える学校が、小 6 生減
る必要があるのですが、同時に、さまざまな切り口で受
少地区でも存続していけるのではないでしょうか。
験層拡大を図る必要があります。AO 型の中学入試や英
安田理(安田教育研究所 )
語入試、適性検査型入試など、
「従来型の中学受験の勉
強ができていないので中学受験を諦めます」という層を
なるべく諦めさせない工夫が大事になってきます。
2016 年入試に向けて有効なことは何か?
●他の教育関連産業による小学生の囲い込み
●生徒募集・入試関連のアドバイス
今後、小学生が増える地区では、さまざまな囲い込み
今年の入試状況をチェックしている中で気づいたの
の動きが出てきます。中学受験の塾に行く前に、スイミ
ですが、意外に 2 月3日の入試がありません。保護者か
ングやサッカーやロボット教室、英語教室など、これ以
らも2 月3日は受けたい適切な私学がないという声が聞
外にも予想もしないお稽古事が出てくるかもしれません。
かれます。以前は、公立一貫校と重なるので避けた方
こうしたジャンルが小2、小3の時点で子どもたちを囲い
がいいと言っていたのですが、意外と穴場でした。また、
込んでしまい、中学受験に向かわせない動きが出てくる
適性検査型入試は「公立一貫校を受ける場合に、併願し
でしょう。中学受験の敵は、中学受験塾以外の民間の教
てください」という言い方ではなく、具体的な対象校を
育関連産業ということになります。この背景にあるのは、
明確にした方が、受験生が受けに来ます。たとえば、
地元の公立の復権です。小6になって「こんな公立中学
聖徳学園では三鷹中等教育学校を受けるなら、同校を
校に行かせたくない」と、塾に駆け込んでくる生徒は以
受験するように勧めています。そう限定した方がむしろ
前に比べて減っています。こうした状況下で受験生をど
選ばれやすくなります。
う引っ張ってくるかという発想が必要です。
願書受付初日から出願状況を見ていたのですが、各校
やはり本質は中高一貫教育の優位性を認識してもら
ともなかなか出願者が増えませんでした。しかし、締め
うことです。家庭や小学生本人に積極的に中学受験を
切ってみたら前年をクリアしているというケースが目立
選択する気持ちを持ってもらわないといけないわけで
ちました。これは、直前になってWeb出願するケースが
す。切り口はいろいろあります。①英語や理数系の力、
多かったことが理由かと思います。また、後半の入試の
論理力、②自分や日本・日本人に対する理解、アイデ
場合、受験費用の倹約のため、前もって出願しないで、
ンティティ、③問題意識、課題発見・解決能力、④協
受験した学校の合否がわかってから、前日の10時や11
調性、柔軟性、異文化理解と許容力、チームプレー精神、
時に出願することが増えています。こうしたことからも、
⑤リーダーシップ、チャレンジ精神、主体性・積極性、
Web出願システム導入の必要性が増しています。
責任感・使命感・倫理観――などです。ここで大切な
また、今年の入試結果を見ていると、募集に苦しみ、
のは、卒業生の「力量」の保証です。
「何を習ってきたか」
来年は中学募集をやめてしまうのではないかと思われ
ではなく、
「何ができるようになったか」が大事なのです。
る学校もあります。こういう学校では、思い切って学
一般的な「学力」だけでなく、先ほど挙げたコミュニケー
習障害児を受け入れる策もあるのではないかと思いま
11
●「建学の精神 」の見える化
した。公立小在籍者の 6.7%は何らかの学習障害を抱え
「校訓」は額に入れて飾っておくものではありません。
ています。こうした家庭は、公立中では面倒を見ても
淑徳巣鴨という仏教系の学校がありますが、校訓は「感
らえないと考え、私立に入れたがっています。受け入
れによって現場の先生方は大変になりますが、指導の
恩奉仕(かんおんほうし)
」です。
「感恩」とは自分をとり
スキルやノウハウを導入して取り組んでみてはどうか
まく人々の恩を感じることで、
「奉仕」とはその恩に報い
と思いました。
ることだそうです。この校訓を生徒に伝えるために「お
かげさまくん」というキャラクターを作って、校内のさま
●保護者の関心の面からのアドバイス
ざまな場で生徒に浸透させています。学習生活ノートの
中にも毎日の「感恩奉仕」の欄があり、生徒は自分が今日
これからの保護者の関心事について。
「わが子が 20 代
をやったことを書いています。
後半から30 代になったときに、世界のどこに行っても
最近、あるコンテストの全国大会を見ながら、生徒を
通用する人間でないと困る」という思いが強いと考えて
コンテストに参加させることの意義を考えました。この
います。志望校を選ぶときに、
「その学校が、生徒が巣
コンテストは会社が高校生にミッションを与え、生徒が
立っていく20 年後の社会を意識した教育内容になって
その課題について研究し、発表します。いくつもの企業
いるのか」
は重要な要素です。
そのため、
「グローバルコー
の1つ、ある食品会社のミッションでは、生徒は世界の
ス」を作っている学校に、あれだけの応募者があるわけ
食糧事情や干ばつによる食糧危機、国内のコンビニで
です。こうしたコース名は、教育内容が“わかりやすい”
どれだけ食品が捨てられているのかなどにまで視点を
ということがあったと思います。このほかにも多くの学
向けていました。探求する過程では家や学校、友だち
校でグローバル化を意識した教育や論理的思考力など
など、身の回りにはない「知らなかった世界」や社会を
各種リテラシーをつける教育を行っていますが、保護者
知ることにつながります。また、チームでの意見を戦わ
にはコース名のようなかたちでないと見えにくかったの
せるわけで、モメる経験をします。そうした中でまとめ
ではないでしょうか。
ていくことで、協働力も養われます。大会に出れば、同
また、保護者は「大学入試がどうなるか」を非常に心
世代の問題意識や発想に刺激を受けることもあり、首
配しています。今年の中学受験の親はわが子が入試改
都圏の生徒が地方の生徒と知り合いになる利点もありま
革の初年度に当たるためにとりわけ気にしていました。
す。それに、コンテストの入賞は必ずしも学力の高い学
「志望校は新しい大学入試に対応できそうか」が、今後
校ではないというところも重要です。私が行ったときは
はより強く出てくる気がします。大学の入試制度の見直
下北沢成徳が入賞し、リーダーは泣いていました。生
しは「大学入試改革」と言われますが、本質は「高校教
徒にこういう外のコンテストに参加させることの意義は
育の改革」
「大学教育の改革」と合わせた三位一体の改
大きいと思います。
革です。したがって、ふだんの授業が、主体的に問題
を発見し解を見出していくアクティブラーニングになっ
●「駅伝 」にみる私学教育の真髄
ていかなければなりません。今後は、これに関する報道
も増えていくと考えられます。自校が主体的・能動的学
最近、私は私学教育の真髄は、
「駅伝」ではないのかと
びになっているということを保護者に向けて打ち出して
思っています。駅伝では、タスキを途切れさせないため
いく必要があります。
に、選手はもちろん、裏方全員の力が必要になります。
●長期を考える際のアドバイス
し合って、伝統をつないでいくものではないでしょうか。
学校も、教職員全員が当事者意識を持ち、なおかつ協力
学校の存続の危機にあって、タスキの色がまったく変
長期的な計画を考える場合に、最初に行うのが「自校
わってしまうということも中にはあります。それはそれ
分析」だと思います。自校分析をする場合、自校の教員
でやむを得ないでしょうが、そうでない場合でも校長が
だけが顔を合わせても知識や経験は限られています。最
代わった途端にガラッと変わってしまうことがあります。
近、
『ユニクロ対ZARA
(ザラ)
』
(日本経済新聞出版社)
しかし、校長が代わっても不易の部分を引き継いでいか
という本を読みました。ユニクロの本、ユニクロを運営
ないと、経験やノウハウは蓄積されていきません。
するファーストリテイリングCEOの柳井正氏の本は数
また、タスキに何をしみこませるのかも重要です。単
多く出ていますが、この本は、ZARAというスペインの
純に言えば、日々働いているときの汗ですが、それだけ
アパレルメーカーが展開するファッションブランドと比
でなく、伝統や昔から続いてきた行事、部活動や卒業
較することで、ユニクロの特性が際立ってわかります。
生への思いなどもあるでしょう。タスキに何を染み込ま
この本を読みながら、競合校、目標校を設定して分析す
せるかに、私学としての個性があるのだと思います。
ることが有効だと思いました。
12
高校入試
2015年度 都立高校入試結果 まとめと分析
高倍率校への警戒感広がる
一般の不合格者 1 万 3 千名を割る
今春の都立全日制一般入試(一次・分割前期 )の不合格者数は、総計 12,899 名と、
昨年の 1 万 3 千名台の最多記録を約 300 名下回った(国際高校の国際バカロレア
コースと産業技術高専を含まず )
。不合格者数が前年より減少したのは 5 年ぶり。
平均の実質倍率も男女ともに低下したが、いまだに 1.4 倍の高いレベルを保ってお
り、厳しい入試であることに変わりはなかった。
◆私立に有利な募集減
都立高校の募集人員は、公私連絡協議会でまとめる 「就学計画」 をもとに決めら
れている。今春入試から、その計画の策定方法が次の 2 点で変わった。①都内公
立中高一貫校の在校生(11 校、約 1600 名 )を計画の対象外とする。②都立高専へ
の進学者分(約 200 名 )を国立・他県進学者数に含める。これにより、卒業予定者
数は 77,421 名(前年比 1,719 名減 )
、都内進学者の私立受け入れ分は 28,600 名(同
700 名減 )
、都立は 42,000 名(同 1,100 名減 )と決まった。
しかしこれは、異なる策定方法の数値を比べたもので、実際の卒業予定者数は、
前年より約 120 名の減少にとどまっている。都立の受け入れ分は 70 名程度の減少
で済むはずだが、都立高校の募集人員は、前年比 200 名(5 学級 )減と大きい。策
定方法の変更(正常化 )は、私立には有利な結果となった。
都では、地域や学力段階に配慮して、前年まで臨時学級増していた普通科旧学
区の 15 校で各 1 学級減し、他の 10 校で各 1 学級増を行い計画に対応している。
下のグラフのように、都立一般入試の不合格者数は、08 年のリーマンショック
後に増えはじめ、昨年 1 万 3 千人の大台を超えた。今年は減ったが 09 年以降では 3
番目に多い人数となってい
不合格者数と実倍率
15,000
1.45
1.40
13,000
11,000
1.35
9,000
1.30
7,000
1.25
5,000
07
08
09
10
11
12
13
14
15
不合格者数
8,849 9,534 11,003 12,455 11,523 12,338 12,975 13,207 12,899
実倍率男子
1.28
1.33
1.36
1.42
1.40
1.40
1.41
1.403 1.400
実倍率女子
1.32
1.33
1.39
1.40
1.40
1.43
1.420
1.425 1.411
13
1.20
る。
150 名以上の不合格者を
出した学校の数は、この 5 年
間 で、1 5 校 → 1 9 校 → 2 0 校
→ 24 校→ 25 校と増え続けて
いる。
一方、前年に不合格者を
多く出した高倍率校を避け、
他の都立に移る動きも目
立った。一部では、受検時
に欠席して私立へ進学する
ものが増えた。
◆推薦の倍率下がる
12 年度 13 年度 14 年度 15 年度
推薦
推薦入試は 2 年前に大幅見直しがあり、単位制や総合
普通科(男子 ) 2.87
3.00
3.05
2.98
学科等では推薦枠を縮小した。そのため、一昨年から 2
普通科(女子 ) 3.81
3.86
3.85
3.71
普通科単位制
2.55
3.17
4.09
3.86
年続けて倍率が上昇した。 商
業
科
3.05
3.14
2.85
2.90
工
業
科
2.26
2.18
2.09
1.92
農
業
科
3.38
3.01
3.13
2.44
国
際
科
3.53
4.89
4.18
4.39
総 合 学 科
1.95
3.12
3.03
2.94
全日制全体
2.89
3.21
3.23
3.11
今春の募集人員は全日制全体の約 22%にあたる 9,050
名で、応募者数は 28,198 名。左表のように、平均倍率は
3.11 倍に低下した。商業と国際を除く各科で軒並みダウ
ン、とくに農業科は、昨年の 3.13 倍から 2.44 倍へ大幅に
下がっている。
今年中には、商業科、工業科などを含む専門学科の再
編計画の発表が予定されている。
「集団討論」 のテーマでは、昨年「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定 」を取
り上げるなど、時事的なテーマを扱ってきた立川が、今年は、男子に「東京オリン
ピック・パラリンピックの成功に向けて貢献できること」と、取り組みやすいテー
マを掲げた。オリンピックや観光に関する題が目立つなか、日比谷は「私たちは何
のために学ぶのか」と、ど真ん中に剛速球を投げてきた。さて、どんな議論があっ
たのだろう。
◆都立志向に揺らぎ?
全日制一般入試の平均では、応募倍率と実質倍率は前年とほぼ変わらなかった。
受検倍率は、リーマンショック直後の 2009 年に 1.41 倍を記録して以降、5 年間 1.42
倍以上をキープしてきたが、今年ようやく 1.41 倍に戻った。当日の欠席率は、2 年
前から 5.3%
(過去最低 )→ 5.4%→ 5.6%と上昇している(とくに 3,4,10 学区で )
。
受検倍率と実質倍率が同じ値だったのは、水増し合格者数を抑えたことが原因
(一昨年…538名→昨年…248名→今年…178名)
。辞退率の低下にも歯止めがかかった。
学科別の受検倍率では、多めの学級減があった普通科(旧学区 )の倍率が、男女
とも下がっている。普通科単位制、国際科、総合学科は上昇している。
欠席率の上昇、辞退率に歯止めがかかったこと、不合格者数が減少に転じたこ
となど、数値の変化は小さいが、都立志向に揺らぎが起こっているようにも見える。
一 般
募集人員
応募者数
応募倍率
受検者数
受検倍率
実質倍率
不合格者数
辞退率
12 年
29,265
44,773
1.53
42,013
1.44
1.42
12,338
0.78%
13 年
31,023
46,787
1.51
44,310
1.43
1.41
12,975
0.72%
14 年
31,693
47,707
1.5
45,148
1.42
1.41
13,207
0.470%
15 年
31,655
47,375
1.5
44,732
1.41
1.41
12,899
0.471%
12 年
1.38
1.55
13 年
1.43
1.52
14 年
1.45
15 年
1.43
受検倍率
普通科男子 普通科女子 普通科単位制
商業科
工業科
農業科
1.62
1.18
1.47
1.44
2.3
1.25
1.52
1.24
1.27
1.44
2.41
1.32
1.54
1.42
1.17
1.26
1.37
2.45
1.36
1.52
1.49
1.17
1.15
1.14
2.69
1.39
14
国際科
総合学科
◆青山が急増 特別推進校は私大付へ?
一般入試の不合格者はどの学力レンジで多く生まれているか。下のグラフでは、
普通科や総合学科など 126 校を、指定や合格基準で A~G の 8 つのレンジに分け、
一校あたりの不合格者数(男女計 )の 3 年推移を調べた。
全体の分布を 3 年間の推移で眺めると、不合格者数を示す棒がもっとも高いの
は、一昨年、昨年ともに、B の特別推進校だったが、今年は、A の進学重点校に代
わっている。
進学重点校は、今年、戸山と国立で各 1 学級減、青山が 1 学級増と、募集人員が
減ったこともあるが、それにもまして応募者が大きく伸びている。7 校合計の不合
格者数は、昨年の 1,264 名から、今年は 1,427 名と 163 名増えた。とくに青山は、昨
年→今年で 184 名(男子 100 名、女子 84 名 )→ 299 名(男子 166 名、女子 133 名 )と、
115 名(男子 66 名増、女子 49 名増 )も増やした。日比谷も男女計で 62 名増、国立は
募集減にもかかわらず、女子が 30 名増やした。
特別推進校は、町田が学級増を行ったが、国際は国際バカロレアコース開設のた
め一般募集は減員している。不合格者数が増えたのは、国際のみ(42 名増 )で、他
の 5 校は、小山台 37 名減(男子 12 名減、女子 25 名減 )
、駒場 70 名減(男子 38 名減、
女子 32 名減 )
、町田 35 名減(男子 25 名減、女子 10 名減 )
、新宿 19 名減(男女計 )
、
国分寺 24 名減(同 )と、揃って減少した。原因は、私立の MARCH クラスの大学付
属校が、応募者数を増やしたことと関係がありそうだ。
1 校あたりの不合格者数
250
200
150
100
50
0
A
B
C
進学重点校 特別推進校 中高一貫校
D
推進校
E
F
G
13 年
182
212
25
144
99
77
49
14 年
181
192
15
148
114
80
50
今 春
204
168
31
136
106
96
49
A…進学指導重点校(日比谷,戸山,青山,西,八王子東,立川,国立の 7 校 )、B…進
学指導特別推進校(小山台,駒場,新宿,町田,国分寺,国際の 6 校 )、C…中高一貫校(白
鴎,両国,富士,大泉,武蔵,南多摩,三鷹の 7 校、13 年度からは南多摩、三鷹を除く 5
校)
、D…進学指導推進校(三田,豊多摩,竹早,北園,墨田川,城東,小松川,武蔵野北,
小金井北,江北,江戸川,日野台,調布北の 13 校 )、E…合格基準 650~730 程度(雪谷,
広尾、井草など 28 校、産業技術高専を含む )、F…合格基準 570~640 程度(鷺宮、芦花、
晴海総合など 21 校 )
、G…合格基準 520~560 程度(大崎、飛鳥、千早など 53 校 )。
15
◆基準の変動で増減
今年は、模試の会社が設ける合格基準(「合格の目安」
)が多くの高校で変わった。
公立中高一貫校の開校による高校募集減が引き金になって、ここ数年、受検者層の大
移動が続き、中堅校の中にも、高倍率になる学校が生まれるなど、基準を変える要素
が数多く出てきていたようだ。合格基準のアップダウンで、受験生に移動が起こった
とみられるケースを、以下にあげてみよう。
特別推進校で、不合格者の減少幅が大きかった駒場は、前年より男子が偏差値 1ポ
イントアップ、女子は内申、偏差値ともに1ポイントアップしている。小山台も男女
ともに偏差値が、国分寺は内申が 1ポイントアップした。
反対に、Cレンジの中高一貫校では不合格者数が 5 校とも増加(合計 79 名増)してい
る。両国の男子は内申が 1ポイントダウン。白鷗は男女とも内申1ポイントダウン、女
子は偏差値も低下した。大泉は男女とも、内申、偏差値 1ポイントダウンなど、基準
の低下が受検者数の増加を導き、不合格者が増えたものと考えられる。
Dレンジの推進校では、14 校合計で昨年の1,929 名から1765 名へ、不合格者が 164
名減っている。小松川は男女とも、内申、偏差値 2ポイントアップで、男女計 59 名減。
武蔵野北は男女とも内申1ポイントアップ、女子は偏差値が 1ポイントアップして、
男女計 77 名の減。小金井北も男女とも内申1ポイントアップ、女子は偏差値も上がっ
て、男女計 84 名減と大幅だった。不合格者数を100 名増やした墨田川も、合格基準が
700 点から690 点に下がっている(三田は男女緩和の影響で、男子が増加、女子は偏差
値 1ポイントアップもあって 49 名の減 )
。
Eレンジでは、多摩科学技術が台風の目となっている。同校の基準は、一昨年→昨
年→今年で、内申が、32 → 34 → 37、偏差値は 51→ 54 → 56と急騰。この間、不合格者
数は134 名→ 143 名→ 54 名と増減。上昇のたびに、近隣の都立の志望者層を巻き込ん
だり、はじきとばしたりした結果、このレンジの不合格者数は増減が激しかった。
Fレンジでは、東、府中、東久留米などが増加、鷺宮、保谷などが減少。Gレンジ
では、松原、足立などが増加、大森、大山、葛飾総合などが減少した。
不合格者 100 名以上の学校
学校名
青
山
日 比 谷
戸
山
新
宿
北
園
三
田
国
際
向
丘
上
野
産業技術高専
広
尾
国
立
文
京
城
東
芦
花
立
川
前年
男女計
184
218
266
269
256
269
193
153
186
132
203
149
281
68
131
171
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
今春
男女計 男子
299
280
252
250
243
236
235
189
182
180
177
175
174
171
171
169
166
175
157
121
96
127
57
60
94
166
88
89
86
98
59
117
女子
133
105
95
129
147
109
178
129
88
14
89
86
88
73
112
52
学校名
鷺
宮
江 戸 川
小
岩
駒
場
豊 多 摩
墨 田 川
西
昭
和
狛
江
石 神 井
神
代
府
中
国 分 寺
調 布 南
小 山 台
雪
谷
前年
男女計
223
156
173
230
228
58
181
126
148
101
126
71
160
139
168
148
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
16
今春
男女計 男子
168
165
163
160
159
158
151
151
150
143
136
136
136
134
131
131
76
54
79
87
73
70
96
71
98
59
71
62
77
63
78
58
女子
92
111
84
73
86
88
55
80
52
84
65
74
59
71
53
73
学校名
東大和南
小
平
小 松 川
高
島
豊
島
東
本
所
調 布 北
府 中 東
松
原
竹
早
田
無
秋 留 台
王子総合
八王子東
目
黒
前年
男女計
122
81
178
82
144
64
95
124
93
54
138
121
76
78
95
74
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
→
今春
男女計 男子 女子
124
121
119
115
114
114
108
107
106
106
105
103
102
102
101
101
59
51
69
58
64
60
40
38
52
48
45
62
76
37
56
35
65
70
50
57
50
54
68
69
54
58
60
41
26
65
45
66
前ページ下の表には、男女計 100 名以上の不合格者を出した学校を並べた。
全日制だけで 48 校、定時制の 2 校
(大江戸 164 名、八王子拓真 144 名)
を加えると、
合計 50 校で前年と同じだった。11 年からの学校数(産業技術高専を含む )は、11
年 38 校→ 12 年 40 校→ 13 年 44 校→ 14 年 50 校と増加している。
トップの青山は、普通科学区校では近年で最多人数をマークした。広尾の躍進
は目覚ましいが、無冠の上野が一昨年→昨年→今年で、104 名→ 186 名→ 182 名と
上位に食い込んできたのも気になるところだ。進学推進校などの新たな指定があ
るのだろうか。今年、表に入ったのは、府中、小平、高島、松原、府中東、王子
総合、八王子東。指定のない、グラフでは E レンジ以下の学校が多い。周囲の状
況から、中堅校が急に高倍率化する動きは、まだ収まっていない。
◆国際 IB コースで「定員内不合格 」
国際高校が設置した国際バカロレアコースが初めての入試を行った。募集人員
は、日本人生徒…15 名、外国人生徒…5 名。これに対し日本人生徒… 66 名、外国
人生徒…22 名が応募した。英語運用能力検査、数学の学力検査、小論文、個人面接、
集団討論など、ハイレベルの検査が行われたが、合格発表では思わぬ結果が明ら
かとなった。
下の表の合格者数のうち、外国人生徒の合計の欄を見ると「4」とある。外国人
生徒の募集人員は 5 名だから、合格者は 5 名(水増しすればそれ以上 )であるはず。
応募者数も募集人員を上回っているのに、なぜ 「4」 名なのか。ミスではないか?
実は、ミスではない。国際バカロレアコースの入選実施要綱には、次のように
記されている。
①選考にあたっては「全ての検査について、自校の教育活動の特色や DP
(ディ
プロマプログラム )の履修に必要な能力などに基づいて適切な基準を定め」
、
「こ
れに達しているものの中から合格者を決め」
、
「一つでも基準に達しない場合は選
考の対象としない」
②「なお、外国人生徒募集の募集人員が充足しない場合、当該都立高校が定め
た基準に達していると認められたもののうち、合格(候補 )者となっていない日本
人生徒募集の受検者の中から充足する」
応募した外国人生徒 22 名の中に、①の基準をクリアできたものが 4 名しかいな
かったと考えられる。欠員分を 16 番目の日本人生徒で埋めたため、日本人の合格
者数は 16 名と募集人員の 15 名より 1 名多くなっている。
普通科学区校の男女別募集の合格者決定に似ているが、IB コースの要項には、
その逆の「外国人→日本人」はないので、きわめて特殊な規定と言えそうだ。
「定
員内不合格」という都立では前代未聞の結果は、今後、議論を呼びそうだ。
国際
対象生徒
日本人生徒
国際
バカロレア 外国人生徒
コース
合計
募集人員
(男女不問 )
応募者数
合格者数
男
女
計
男
15
29
37
66
5
6
16
22
20
35
53
88
17
実質倍率
女
計
7
9
16
4.1
0
4
4
5.5
7
13
20
4.4
前年
増減
女子
1.47 → 1.79
105
△ 42
女子
1.64 → 1.43
53
▲ 25
女子
2.39 → 1.96
109
▲ 49
790
1.85 → 1.68
73
▲ 17
670
38
△3
校
名 性・科
日
比
谷
小
山
台
田
雪
谷
田 園 調 布
大
崎
八
潮
大
森
蒲
田
山
青
山
駒
場
2学区
目
黒
広
尾
松
原
桜
千
町
歳
深
丘
沢
西
大
豊
士
多
3学区
石
草
神
杉
武
鷺
光
練
田
摩
井
並
蔵
丘
宮
丘
馬
柄
早
北
園
1.87 → 2.30
男子
1.48 → 1.49
男子
1.53 → 1.41
女子
78
127
58
36
△ 20
860
▲ 12
800
△ 16
△0
△6
500
1.45 → 1.48
女子
1.58 → 1.38
41
▲ 21
女子
1.14 → 1.02
2
▲ 10
女子
1.30 → 1.05
男子
男子
男子
1.19 → 1.25
1.18 → 1.06
6
▲ 22
1.36 → 1.43
18
△0
2.06 → 2.11
157
1.40 → 1.51
女子
1.70 → 1.77
5
19
95
男子
1.74 → 2.09
男子
2.04 → 1.74
男子
1.34 → 1.34
男子
2.42 → 2.17
男子
1.31 → 1.64
48
男子
1.41 → 1.27
32
男子
1.16 → 1.04
女子
女子
女子
女子
女子
女子
女子
166
73
▲ 32
1.31 → 1.72
2.19 → 2.03
1.25 → 1.67
35
△ 33
89
▲ 10
88
58
1.52 → 1.44
男子
1.34 → 1.50
男子
1.09 → 1.55
男子
女子
男子
1.06 → 1.31
1.55 → 1.39
1.98 → 1.54
1.79 → 1.71
1.50 → 1.25
1.56 → 1.48
1.36 → 1.50
女子
1.43 → 1.79
女子
1.46 → 1.09
女子
1.68 → 1.36
男子
男子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
450
55
▲ 10
16
10
▲ 20
△5
△8
18
△ 15
73
▲ 59
29
▲ 25
13
86
52
59
84
▲5
▲ 10
▲ 15
1.65 → 1.38
45
▲ 34
1.99 → 1.72
76
2.01 → 1.79
1.15 → 1.14
1.05 → 1.13
13
50
92
16
1.76 → 1.71
2.26 → 2.20
19
45
730
730
690
710
620
▲ 30
147
▲6
▲7
葛
630
580
日
610
790
井
立
東
国
松
川
東
戸
川
川
本
紅
650
▲3
江
岩
葉
飾
本
篠
490
葛
480
南
480
800
750
18
野
橋
葛
南
飾
八 王 子 東
町
770
川
崎
西
男子
田
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
前年
増減
2.00 → 1.58
88
▲ 48
50
▲ 16
2.21 → 1.64
86
男子
1.74 → 1.61
64
男子
1.47 → 1.50
60
男子
1.43 → 1.43
男子
1.06 → 1.23
女子
女子
女子
女子
女子
1.55 → 1.42
57
△ 34
32
△ 24
16
▲ 30
1.07 → 1.30
1.00 → 1.72
男子
△ 11
1.19 → 1.47
男子
女子
▲ 14
129
1.48 → 1.25
女子
▲ 59
1.87 → 1.95
男子
1.47 → 1.16
1.06 → 1.44
58
27
22
23
14
△ 25
▲1
△ 23
△8
1.00 → 1.27
32
△ 32
男子
女子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
男子
1.00 → 1.00
38
32
16
0
1.41 → 1.38
12
女子
1.67 → 1.37
男子
女子
1.26 → 1.83
1.71 → 1.45
1.35 → 1.72
1.10 → 1.60
1.63 → 1.36
54
▲ 24
53
△3
73
1.71 → 1.69
68
1.66 → 1.59
女子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
男子
女子
1.26 → 1.25
▲ 11
22
▲1
480
△0
480
△9
440
36
▲ 15
410
56
△2
22
△1
△ 10
1.19 → 1.42
41
△ 23
1.11 → 1.09
10
1.65 → 1.73
1.39 → 1.41
27
17
55
1.33 → 1.37
45
1.57 → 1.41
50
1.60 → 1.34
650
36
△0
△ 15
1.75 → 1.52
630
△ 19
▲1
44
1.08 → 1.15
670
47
△ 21
1.30 → 1.44
1.26 → 1.25
660
▲ 10
29
男子
△1
730
79
1.31 → 1.32
1.10 → 1.18
△ 33
720
△ 14
女子
女子
△ 59
780
40
84
1.35 → 1.27
▲ 31
800
△ 29
1.54 → 1.55
男子
▲1
60
女子
1.27 → 1.47
450
△ 44
54
男子
△6
460
98
1.29 → 1.45
1.24 → 1.37
△ 39
500
770
50
女子
男子
420
520
▲ 28
44
女子
▲4
▲2
69
1.42 → 1.41
男子
530
790
女子
1.28 → 1.57
500
△ 20
111
1.56 → 1.60
520
540
29
1.58 → 1.80
男子
610
440
▲ 20
62
600
△9
26
18
690
480
△ 18
1.55 → 2.48
720
▲ 11
26
1.61 → 1.35
460
490
1.09 → 1.31
1.32 → 1.26
510
△0
△ 14
22
女子
女子
△ 16
24
1.15 → 1.29
24
男子
△ 32
1.13 → 1.26
6
1.42 → 1.57
男子
△ 38
14
女子
男子
△ 18
1.21 → 1.19
1.20 → 1.06
590
720
35
1.00 → 1.16
570
▲ 12
1.12 → 1.26
1.00 → 1.35
630
88
94
△ 14
女子
610
740
14
男子
680
440
1.00 → 1.11
女子
660
△ 12
1.63 → 1.69
1.00 → 1.36
730
▲ 21
女子
男子
710
480
1.81 → 1.72
男子
合格
基準
△ 20
女子
男子
所
小
670
450
西
東
730
△8
立
深
750
460
▲1
江
760
△ 19
60
96
750
470
台
城
860
▲1
▲ 11
17
男子
▲ 27
22
1.25 → 1.47
2.06 → 1.70
▲ 28
△ 10
41
1.61 → 1.59
▲ 45
15
1.19 → 1.36
1.31 → 1.20
▲ 49
立
足 立 新 田
小
860
630
▲ 24
北
両
460
640
△ 32
野
足
470
△ 10
14
1.49 → 1.47
女子
▲5
1.31 → 1.12
男子
女子
470
▲ 29
上
青
530
▲ 13
22
鴎
淵
660
530
△2
白
足
700
540
18
96
680
△ 32
1.13 → 1.15
山
竹
820
520
△ 18
1.59 → 1.30
800
△ 20
54
4
830
640
▲ 11
橋
足
840
▲ 16
1.31 → 1.40
1.82 → 1.69
女子
▲6
66
男子
男子
810
▲ 38
島
江
△ 66
1.97 → 1.68
87
410
840
▲3
丘
大
450
▲ 11
△ 49
12
女子
△1
133
1.21 → 1.18
女子
▲ 26
1.69 → 1.96
男子
女子
400
2
向
板
520
430
島
高
650
▲9
1.27 → 1.02
女子
男子
29
650
640
女子
男子
760
名 性・科
京
豊
810
▲ 11
校
文
860
7学区
4学区
竹
1.66 → 1.58
175
6学区
井
男子
女子
泉
富
男子
2.03 → 2.18
学
5学区
戸
男子
合格
基準
4学区
三
1学区
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
学
47
▲3
△6
600
610
590
620
570
590
520
530
500
520
510
490
460
430
820
△4
830
▲ 10
770
▲ 25
760
学
校
名 性・科
日
野
台
南
平
成
富
瀬
士
松
野
が
小
谷
川
片
倉
八 王 子 北
山
野
崎
津
立
田
川
和
東 大 和 南
東
大
生
武 蔵 村 山
羽
村
拝
島
秋
摩
留
武
台
蔵
小 金 井 北
清
瀬
9学区
小
小
平
平
保
南
谷
無
久 留 米 西
小
平
西
東 村 山 西
男子
1.33 → 1.24
女子
女子
男子
1.59 → 1.27
34
▲ 38
1.66 → 1.29
31
▲ 40
27
△3
47
△4
1.43 → 1.47
男子
1.05 → 1.17
18
女子
男子
外国文化
片
倉
造形美術
▲ 22
1.72 → 1.85
117
△ 17
1.54 → 1.52
71
▲3
1.58 → 1.43
1.43 → 1.66
1.50 → 1.50
1.39 → 1.52
1.25 → 1.10
1.38 → 1.24
1.12 → 1.12
女子
1.19 → 1.28
52
▲ 19
80
△ 28
65
△ 10
59
▲8
61
△ 14
12
▲ 18
38
△ 19
26
▲ 14
13
▲1
18
17
11
▲8
1.88 → 2.52
76
△ 24
男子
1.41 → 1.53
17
△4
男子
1.67 → 1.44
45
▲ 23
男子
1.74 → 1.54
55
男子
1.07 → 1.24
1.86 → 1.26
41
▲ 63
1.21 → 1.24
25
△0
1.29 → 1.20
1.56 → 1.82
28
23
▲ 11
70
女子
1.76 → 1.33
34
1.37 → 1.34
41
男子
1.60 → 1.46
1.36 → 1.30
女子
1.40 → 1.07
女子
1.18 → 1.34
男子
男子
女子
57
58
62
35
△ 23
△ 13
▲ 28
▲ 31
▲ 10
▲8
▲7
1.56 → 1.59
54
△4
540
1.31 → 1.22
27
▲ 11
500
1.43 → 1.31
52
35
△ 18
△ 12
△9
▲ 14
60
△ 17
新
宿 普(単位制 ) 1.86 → 1.92
62
250
△ 45
610
550
国 分 寺 普(単位制 ) 1.53 → 1.62
136
▲ 24
花 普(単位制 ) 1.90 → 1.69
171
△ 40
▲ 16
川
松 が 谷
小
600
平
外国語
外国語
1.21 → 1.63
1.03 → 1.05
2.09 → 1.30
墨 田 川 普(単位制 ) 1.62 → 1.23
530
500
520
470
美
原 普(単位制 ) 1.13 → 1.03
芦
大 泉 桜 普(単位制 ) 1.02 → 1.18
飛
忍
480
450
岡 普(単位制 ) 1.34 → 1.44
陽 普(単位制 ) 1.48 → 1.18
上
水 普(単位制 ) 1.34 → 1.13
▲ 19
810
158 △ 100
25
3
70
43
65
△ 20
790
31
王 子 総 合 総合(単位制 ) 1.61 → 1.47
葛 飾 総 合 総合(単位制 ) 1.19 → 1.48
690
町 田 総 合 総合(単位制) 1.12 → 1.22
660
東久留米総合 総合(単位制) 1.40 → 1.10
青 梅 総 合 総合(単位制) 1.23 → 1.25
710
680
580
690
690
800
520
620
▲ 32
490
△0
510
▲ 12
570
530
△ 56
640
810
△ 41
杉 並 総 合 総合(単位制 ) 1.60 → 1.40
14
世田谷総合 総合(単位制 ) 1.19 → 1.17
晴 海 総 合 総合(単位制 ) 1.55 → 1.62
合格
基準
430
790
760
480
△ 13
25
△4
1.25 → 1.75
520
540
68
海洋国際
560
▲1
つばさ総合 総合(単位制 ) 1.41 → 1.39
大島海洋国際
550
2
790
国際
610
480
△ 42
810
際
590
▲ 14
235
800
国
670
6
3.18 → 2.60
▲ 28
650
520
570
△3
530
102
△ 24
520
31
▲ 48
540
39
▲3
590
99
90
20
△ 32
▲ 13
▲ 17
66
△ 49
7
△7
550
630
520
570
680
若 葉 総 合 総合(単位制) 1.48 → 1.35
650
第
620
第
四
情報処理
赤
羽
川 総合ビジネス
商業
1.28 → 1.11
41
△ 25
440
葛
飾
1.16 → 1.12
8
△2
480
630
610
560
570
510
530
34
△ 23
▲6
外国語
2.05 → 1.74
五 日 市 ことばと情報 1.45 → 1.21
660
△ 17
40
37
19
680
720
36
1.19 → 1.34
1.10 → 1.27
1.16 → 1.13
△ 30
▲ 23
深
680
△ 35
62
21
540
▲ 13
650
1.36 → 1.75
690
▲ 36
18
△6
前年
増減
7
1.26 → 1.15
1.21 → 1.32
△ 18
△ 17
1.41 → 1.53
1.90 → 1.52
▲ 21
51
女子
女子
▲2
2.13 → 1.44
男子
男子
△2
▲ 54
1.45 → 1.68
男子
△ 14
24
男子
女子
△ 11
640
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
820
710
△ 31
74
男子
性・科
690
1.36 → 1.70
1.27 → 1.52
92
男子
4
430
760
▲ 11
1.43 → 1.52
女子
△ 26
▲ 21
63
翔
△ 26
1.19 → 1.13
山
750
860
71
男子
女子
▲ 20
65
71
430
43
26
永
東
女子
860
▲ 24
34
1.24 → 1.55
1.45 → 1.57
460
中
男子
▲8
合格
基準
▲4
52
鳥 普(単位制 ) 1.20 → 1.28
板 橋 有 徳 普(単位制 ) 1.37 → 1.36
男子
20
府
530
西
女子
1.89 → 1.77
98
470
▲4
△ 19
1.08 → 1.24
500
中
男子
1.55 → 1.61
38
450
44
33
府
女子
1.38 → 1.68
89
▲5
1.24 → 1.42
女子
1.72 → 1.54
男子
柄
▲2
550
中
1.53 → 1.73
女子
男子
田
12
△8
府
1.56 → 1.37
1.48 → 1.33
830
18
▲7
550
1.59 → 1.64
女子
学 校 名
1.14 → 1.10
女子
男子
450
女子
女子
△3
▲5
1.78 → 1.66
1.19 → 1.15
女子
69
31
1.65 → 1.24
男子
女子
南
1.72 → 1.76
470
1.24 → 1.15
女子
布
女子
男子
▲ 12
男子
男子
調
△ 30
0
1.15 → 1.00
△ 16
590
86
△ 15
1.18 → 1.36
女子
10
580
代
▲ 22
1.40 → 1.70
30
1.19 → 1.39
女子
女子
神
600
26
女子
男子
560
1.45 → 1.61
男子
江
2.14 → 1.63
前年
増減
42
▲ 19
1.38 → 1.17
女子
男子
狛
590
北
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
2.35 → 2.11
16
1.23 → 1.20
男子
布
女子
570
男子
女子
調
650
立
男子
▲ 11
28
男子
山
9
1.24 → 1.33
女子
村
1.16 → 1.07
23
男子
男子
東
△ 22
19
女子
名 性・科
43
1.26 → 1.19
女子
▲ 19
校
1.23 → 1.47
男子
女子
580
△ 20
男子
女子
580
学
国
730
△ 32
31
1.31 → 1.13
700
640
1.08 → 1.26
女子
750
▲ 12
42
1.15 → 1.20
女子
28
1.07 → 1.34
女子
男子
△7
740
商業科
田
55
▲9
総合学科
武 蔵 野 北
1.34 → 1.40
▲ 14
国際科
多
男子
55
普通科単位制
8学区
福
和
33
1.55 → 1.47
合格
基準
コース
昭
1.34 → 1.25
女子
前年
増減
学区
7学区
日
森
男子
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
510
荒
江
490
第
510
19
芝
一
商業
1.04 → 1.00
商業
1.07 → 1.00
商業
合計
商業
情報処理
合計
東 総合ビジネス
三
商業
79
△ 21
520
530
1.08 → 1.00
14
△ 14
480
1.02 → 1.00
1
△1
480
1.06 → 1.00
1.12 → 1.11
1.06 → 1.25
1.09 → 1.21
1.08 → 1.19
1.35 → 1.36
8
9
21
7
15
10
60
△8
△9
△3
▲ 21
▲ 19
▲ 14
▲1
460
430
460
500
460
商業科
学 校 名
性・科
五 日 市
商業
橘
産業
第
五
商業
産業科
デザイン
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
前年
増減
1.34 → 1.55
58
▲ 35
1.12 → 1.08
6
△2
1.04 → 1.14
1.19 → 1.13
28
1.69 → 1.69
18
機械・自動車
1.00 → 1.16
1.25 → 1.14
38
建築・都市工学
1.00 → 1.00
総合工科
中
野
杉
並
電気・情報デ
合計
総合技術
蔵
前
立
墨
田
田
多
摩
1
▲ 30
16
△ 17
1.23 → 1.23
6
△0
1.01 → 1.25
1.27 → 1.38
7
デザイン
1.42 → 1.85
合計
1.38 → 1.32
49
0.84 → 0.95
-7
総合技術
機械
1.03 → 1.08
11
▲8
▲1
△4
▲6
0.96 → 0.63
-1
△8
建築
電子
情報技術
0.96 → 1.78
1.02 → 1.04
-1
2
9
1.20 → 1.28
10
総合情報
1.23 → 1.32
29
▲ 11
430
電気
1.16 → 1.02
8
△7
430
電子
1.04 → 1.23
合計
1.16 → 1.36
建築
機械
環境化学
1.65 → 1.71
0.88 → 1.19
1
▲5
20
33
-3
▲4
▲ 25
▲3
▲8
▲ 16
0.94 → 1.41
-3
▲ 23
1.16 → 1.24
4
馬 キャリア技術
2.07 → 1.72
76
△ 25
オートモビル
1.00 → 1.73
0
▲ 16
440
▲1
450
中
六郷工科
情報技術
工業技術
合計
プロダクト
システム
デザイン
合計
デュアルシステム
1.00 → 1.24
1.32 → 1.32
1.07 → 1.32
0.98 → 1.19
1.32 → 0.77
1.08 → 1.14
1.07 → 1.20
1.12 → 1.16
▲ 13
430
0
△1
430
0
8
9
-1
8
2
9
3
総合芸術
場
橋
窪
430
浅
草
八王子拓真
470
新宿山吹
▲ 13
▲1
1.08 → 1.53
1.35 → 0.92
音楽
美術
舞台表現
保体
体育
福祉
1.51 → 1.51
490
6
▲ 19
▲ 20
▲1
▲ 35
440
440
9
26
△ 11
▲3
510
530
530
710
54
▲ 89
1.23 → 1.43
34
▲ 29
1.59 → 1.48
34
△6
2.10 → 1.47
33
1.30 → 1.23
2.00 → 2.20
1.23 → 1.25
1.04 → 1.80
0
9
30
11
1
450
△2
660
▲6
△ 19
1.81 → 1.83
29
▲1
3部
0.88 → 0.96
-3
△4
▲2
1.63 → 1.61
60
△1
2部
2.03 → 1.67
37
△ 13
58
▲ 33
17
▲ 27
115
▲ 29
33
▲ 20
1.86 → 2.08
0.67 → 0.83
昼夜間定時
1.60 → 1.95
2部
1.47 → 2.22
1部
-8
2.17 → 2.19
42
0.96 → 1.17
-1
1部
2.81 → 3.17
3部
1.71 → 1.54
2部
31
1.92 → 2.47
65
17
チャレンジ枠
1.33 → 2.20
21
普
1.51 → 1.31
55
川 昼夜間定時
情
合計
六 本 木 チャレンジ
世 田 谷 泉 チャレンジ
400
稔 ヶ 丘 チャレンジ
450
大 江 戸 チャレンジ
桐 ヶ 丘 チャレンジ
1.72 → 1.02
1.23 → 1.28
1.42 → 1.30
▲8
▲4
▲1
▲5
▲ 13
400
390
450
△4
▲ 56
430
12
▲2
490
67
1.35 → 1.27
71
1.94 → 2.12
390
△ 84
84
1.66 → 1.60
450
86
1.58 → 1.66
1.35 → 1.41
720
△7
昼夜間定時
1部
680
640
▲ 19
1部
12
660
400
△ 48
1.33 → 1.14
530
▲1
180
2部
600
△0
1.61 → 1.44
38
510
△0
△ 26
1.35 → 1.90
昼夜間定時 2.20 → 2.50
△0
△ 13
合計
3部
砂
▲9
▲ 10
1.00 → 1.00
440
▲2
食物
早 ビジネス C
▲6
▲ 31
服飾
3部
430
10
電気
0.81 → 1.19
大 田 桜 台 ビジネス C
荻
430
1.08 → 1.21
機械
-5
10
37
一
420
-6
▲4
510
1.38 → 1.42
昼夜間定時(合計) 1.40 → 1.35
440
16
1.00 → 0.96
▲ 24
1.24 → 1.07
420
1.33 → 1.41
建築
都市工学
1
18
緑地計画
産業技術高専 ものづくり工学
460
38
無
460
科学技術
野 津 田
430
1.30 → 1.33
0.88 → 1.14
▲4
△7
8
11
駒
410
1.18 → 1.50
▲ 16
430
1.21 → 1.27
科学技術
390
-1
▲ 25
▲8
1.23 → 1.48
1.31 → 1.04
510
千
0.96 → 1.23
1
-1
11
1.04 → 1.96
合計
▲9
1.42 → 2.15
都市園芸
食品科学
3
▲5
500
自動車
1.01 → 1.20
食品
0.96 → 1.27
490
△0
科学技術
410
▲7
畜産科学
1.03 → 1.12
▲4
多摩科学技術
1.04 → 1.04
▲9
合計
-3
510
550
△0
1
6
食品
480
生活科学
電気
建築
1.12 → 1.22
園芸デザイン 0.94 → 1.02
▲2
-1
岡
2
1.04 → 1.38
▲9
10
0.96 → 1.04
490
忍
410
-1
1.10 → 1.10
緑地環境
▲ 17
370
▲ 10
0.96 → 1.31
△ 19
-8
600
0
機械
19
▲ 14
410
1.00 → 1.08
1.39 → 1.00
0.68 → 1.35
2
△7
△6
食品科学
1.08 → 1.62
3
18
▲ 33
業
1.06 → 0.92
1.14 → 1.09
530
14
500
農
370
▲ 12
△5
680
△ 11
0
21
450
15
1.00 → 1.46
1.81 → 1.62
▲ 15
1.29 → 1.08
合計
総合技術
▲2
460
13
540
設備工業
▲ 17
2
1.25 → 1.55
▲ 19
△ 14
▲ 21
-9
瑞 穂 農 芸 生活デザイン
480
11
業
1.08 → 1.88
合格
基準
0.82 → 1.16
1.14 → 1.46
園芸科学
農
前年
増減
660
▲5
1.44 → 0.87
産
実質倍率
不合格
前年
今年 者 数
合計
合計
620
710
4
農
410
▲ 11
△7
芸
瑞穂農芸
400
640
動物
合計
470
▲3
電気
合計
練
410
1.62 → 0.96
機械
府
▲ 21
インテリア
合計
田
0
2
農
570
昼夜間定時制
町
400
▲ 13
9
機械
西
▲ 47
0
1.35 → 1.19
合計
葛
10
食品
園芸科学
その他
工業科
足
440
マシンクラフト
電気
川
△0
0
▲5
-1
1.00 → 1.43
520
570
440
0
芸
560
▲8
△ 17
園
450
0
性・科
園芸
510
△ 18
0.96 → 1.00
電子
合計
荒
1.08 → 1.46
420
15
理工環境
グラフイック
北 豊 島
1.00 → 1.09
▲3
△0
1.04 → 1.20
アートクラフト
芸
1.00 → 1.10
△8
機械
合計
工
1.30 → 0.94
-1
▲6
学 校 名
農業科
クラフト
八王子桑
システム情報
志
ビジネス情報
合計
0.96 → 1.08
2
合格
基準
62
96
137
△ 22
△ 20
560
▲ 12
▲ 10
△ 16
△9
▲ 27
この表では第一志望の科に不合格で他科にスライドして合格した生徒、および産
業技術高専の不合格者を含む。
各校の前年増減にある△は増加、
▲は減少を表す。
小計や合計の欄の前年増減は、+と-で表記した。
資料提供㈱進学研究会
370
20
高校入試
<<<<<<<<2015 年神奈川県公立高校入試>>>>>>>>>>
上位生の公立人気は健在、
入り易い学校離れが目立つ
1. 共通選抜の応募状況
全日制公立高校は、募集定員 43,300 名に対し、志願変更後の最終応募者数が
52,159 名で、応募倍率 1.20 倍と、昨年と同じだった。昼間部を含む定時制の共通
選抜は、昨年の応募倍率 0.90 倍が今年は 0.82 倍に下がっている。
学力検査のないクリエイティブスクールと連携募集を除いた全日制の学力検査
の受検者数は昨年が 50,864 名だったが、今年は 50,620 名となっていて、公立中 3
卒業生数の減少を反映して 244 名減少している。全日制の応募取り消しと欠席は
全県合計 683 名、受験後の取り消しは 314 名、合格者総数は 43,291 名で、15 校 19
学科・コースで募集定員割れとなった。
2. 人気の高い学校
順位
左の表は単位制や昼間部定時制(定時制は共通選抜 )
応募者数トップ 10 普通科同順位あり
2015 年度
を含み、クリエイティブスクールを除いた普通科の応
2014 年度
1
横 浜 翠 嵐
719 横 浜 翠 嵐
797
募者数トップ 10 である。トップは昨年に引き続き横浜
2
湘
南
663 湘
南
602
3
市
尾
591 市
尾
561
翠嵐、2 位が湘南だ。横浜翠嵐も湘南も隔年的に応募
4
川
和
578 川
和
535
5
新
羽
492 大
船
499
6
大
船
484 海
老
名
495
年で現制度になって 3 年目だが 3 年連続 3 位だ。4 位の
7
市 立 桜 丘
479 元
石
川
491
8
横浜緑ヶ丘
478 新
羽
477
川和と 6 位の大船も 3 年連続のトップ 10、5 位の新羽は
9
多
摩
478 住
吉
472
10
麻
台
468 厚
木
463
ヶ
溝
ヶ
者が増えて人気が上がっている。今年の 7~10 位はい
ずれも昨年より応募者が増加してトップ 10 に入った
順位
1
横浜翠嵐
2.01 横
2
湘
南
1.85 湘
3
川
和
1.82 相 模 向 陽 館( 午 前)
1.67
4
横浜緑ヶ丘
1.72 相 模 向 陽 館( 午 後)
1.58
5
多
摩
1.72 横 浜 緑 ヶ 丘
1.514
てから 3 年連続でトップ 10 に入っている。5 位の多摩、
6
光
陵
1.64 市
橘
1.510
7
新
城
1.513 川
和
1.494
6 位の光陵など、横浜・川崎地区のトップ校、上位校
8
大
和
1.507 光
陵
1.489
9
市立桜丘
1.506 生
田
1.45
1.49 柏
陽
1.44
10
市
ヶ
尾
翠
昨年に続いてトップ 10 に入っている。川和は毎年応募
較的登場校が変わるが、上位は固定人気だ。
2014 年度
浜
少しているが順位の逆転はない。3 位は市ヶ尾で、今
が、市立桜丘は隔年的な増減だ。トップ 10 の下位は比
応募倍率トップ 10 普通科同順位あり
2015 年度
者が増減していて、今年は湘南が増加、横浜翠嵐が減
立
嵐
2.23
南
1.68
次に下段の表で普通科の応募倍率を見てみる。応募
倍率は今年も横浜翠嵐がトップ、2 位は湘南で、この
両校と 3 位の川和、4 位の横浜緑ヶ丘は現行制度になっ
が高倍率だ。また、相模向陽館は一昨年、昨年とトッ
プ 10 に入っていたが、今年は 16 位で外れている。
前述のように、今年で現行制度 3 年目だ。前後期だっ
21
たころは、前期で失敗してもまだ後期がある、という考え方の挑戦志向の受験生
も目立ったが、後期は後がないことから、慎重に選択する受験生が多数派だった。
前後期が一本化されたことから、慎重に受験校を選ぶケースが多く、こうしたトッ
プ 10 を作るとかつての前期よりも後期に近い傾向が見えていたが、新制度が定着
するにつれて人気校の傾向に変化が見られるようになってきた。以前の後期は応
募者数でも応募倍率でも、トップ 10 に旧学区トップ校や 2 番手校だけが登場する
ことはなく、中堅校や比較的入り易い学校ももっと登場していた。新羽や住吉、
新栄、相模向陽館、白山、綾瀬西などだ。しかし、こうした学校の影が薄くなり、
トップ校と 2 番手校中心になってきた。以前は「絶対公立」の受験生が入り易い学
校に集中して高倍率になる傾向が見られた。こうした傾向は今もあるが、以前よ
りは緩和してきた。トップ校や上位校が、こうした学校の応募者を上回るように
なってきた。
順位
1
2
3
応募倍率トップ 10 コース・専門・総合学科・クリエイティブ
2015 年度
川
神
5
横
6
8
9
市
立
弥
4
7
崎
橘 国 際
市 立 横 浜 商 業 国
奈
川
浜
総
国
際
学
栄 美 術
合 国 際 文 化
際 国 際 情 報
サイエンスフロンティア 理 数
市 立 横 浜 商 業 S マネジメント
神
弥
10 生
奈
川
総
合 個
性
化
栄 音 楽
田 自 然 科 学
2014 年度
1.82 市 立 横 浜 商 業 国 際 学
2.06
栄 美 術
2.00
1.76 市 立 横 浜 総 合 総 合 Ⅱ 部
1.769
合 個 性 化
1.70
1.80 弥
田 自然科学
1.77 生
1.75 弥
1.70 神
1.64 相
1.62 白
奈
川
総
栄 国 際
原 畜産科学
山 美 術
1.62 川 崎 総 合 科 学 科 学
1.56 サイエンスフロンティア 理 数
1.87
1.767
1.69
1.67
1.56
1.55
上の表でコース・専門・総合学科なども見てみる。こちらは募集定員が小さい
学校・課程も多く、少しの応募者数の変動で順位が大きく変わるので、応募倍率
のみの比較とした。今年は市立橘の国際がトップ、昨年はトップ 10 に入っていな
かった。2 位は昨年のトップ、市立横浜商の国際学、3 位は弥栄の美術で、昨年に
続いてトップ 10 に入っている。サイエンスフロンティア、神奈川総合・個性化、
生田・自然科学も昨年に続くトップ 10 入りだ。今年は神奈川総合・国際文化や横
浜国際がトップ 10 入りするなど、国際系の人気が高くなっている。社会のグロー
バル化の影響かもしれない。
この 3 年間で変わったことは、実業系の専門学科がトップ 10 から大きく減った
ことだ。表に出ていない一昨年は同順位を含めてトップ 10 が 11 校あったが、トッ
プが同率 2 校で中央農業・畜産科学と磯子工業・建築だったのをはじめ、11 校中 7
校が実業系だった。それが昨年は相原・畜産科学だけ、今年は 1 校もない。市立
横浜商業のスポーツマネジメントを実業系と考えるかどうか、定義の問題はある
が、旧来からの農・工・商の学科が姿を消している。前後期制の後期の時も半数
程度は実業系だった。上記のように普通科でも応募者や応募倍率のトップ 10 の傾
向が変わってきているが、こちらも同じ理由だろう。前後期制の時は、
「絶対公立」
の受験生が、入り易さで実業系の学校・学科を選んでいて、そうした受験生が集
22
中すると高倍率になる傾向があったが、現在はこだわりを持つ受験生が集まる学
校・学科が高倍率になるようになってきた、と言えるだろう。
3. 応募者の増加が目立つ学校
応募者の増加が目立った学校は、普通科が鶴見、城郷、港北、岸根、市立東、
松陽、瀬谷、横浜平沼、光陵、市立戸塚、横浜緑ヶ丘、市立金沢、氷取沢、新城、
多摩、生田東、湘南、鶴嶺、茅ヶ崎、藤沢西、平塚江南、小田原、厚木西、有馬、
座間、厚木清南、大和、麻溝台、横浜明朋Ⅰ部、横浜明朋Ⅱ部で、総合学科は特
に目立つ学校はない。コース制や専門学科ではサイエンスフロンティアと厚木商
業が目立っている。このうち、昨年も増加が目立っていたのは光陵、瀬谷、氷取沢、
生田東、湘南台、藤沢西、厚木西。昨年は前年並みの応募者数で、今年は増えて
いるのは岸根、城郷、松陽、横浜緑ヶ丘、市立金沢、多摩、平塚江南、小田原、
有馬、座間、麻溝台、厚木商業。昨年は減少が目立っていて、今年は増加に転じ
たのは鶴見、市立東、港北、横浜平沼、市立戸塚、新城、湘南、茅ヶ崎、鶴嶺、
大和、厚木清南、サイエンスフロンティアである。横浜明朋は開校 2 年目で、受
験生への浸透が進んだための増加だ。
4. 応募や受検後の取り消し・欠席について
前述のように応募先変更後の取消・欠席は全県で 683 名、率では 1.3%だった。
昨年は 564 名 1.1%、一昨年は 598 名 1.2%で、昨年減っていたのが増加に転じてい
る。受検後の取り消しは 314 名で、昨年が 391 名、一昨年が 341 名だった、こちら
は今年減少に転じた。両方を合計すると 939 名→ 955 名→ 997 名と、じわじわ増え
ている。
応募後の取消・欠席、受検後取消とも最多は今年も横浜翠嵐で、前者が 66 名、
後者は 92 名の合計 158 名だ。応募の取消・欠席が多かったのは、同校のほか、生
田・普通 37 名、市ヶ尾 35 名、多摩 30 名、湘南 26 名、川和 22 名、柏陽 17 名、鶴見
16 名、元石川 13 名、荏田・普通と厚木各 11 名、市立東・横浜平沼・新城・光陵・
大和・サイエンスフロンティア各 10 名などで、旧学区トップ校も見られるが、2
番手校や中堅校もある。東京隣接地域の学校が多く、都内も含めて有名私国立高
校を第一志望にした受験生が、希望校に合格したための応募後取消・欠席である。
受検後の取消は横浜翠嵐のほかに湘南 32 名、川和とサイエンスフロンティア各 13
名、市ヶ尾 9 名、柏陽・厚木各 7 名などとなっていて、こちらは都内国立校や最難
関私立との併願者が中心だ。昨年と比べて、横浜中部と県央(厚木、大和・座間・
綾瀬地区 )の増加が目立っている。神奈川県の公立受検では、旧学区トップレベ
ル校の合格実績を大手 4 塾で競っていて、大手 4 塾の通塾圏の拡大で、従来はあま
り都内などの難関・上位私国立高校との併願があまり多くなかった地域でも、こ
れらの塾の積極的な受験指導で挑戦するケースが増えている。これが欠席や取消
の増加につながっているのではないだろうか。
文・池田 亨(<株>エデュケーショナルネットワーク・データ課長 )
23
高校入試
<<<<<<<<2015 年神奈川県私立高校入試>>>>>>>>>
書類選考が大幅増加、一般入試は減少
1. 応募者数の全体状況から
区
分
年
度
推薦入試
15 年
14 年
一般入試
13 年
12 年
11 年
15 年
14 年
13 年
12 年
11 年
男
子
校
365
389
415
401
350
3,866
4,247
3,983
3,968
3,746
女
子
校
680
727
720
693
616
2,213
2,461
2,495
1,803
1,388
共学別学校
3,661
3,690
3,593
3,494
3,648
37,921
39,543
39,234
25,398
25,561
4,706
4,806
4,728
4,588
4,614
44,000
46,251
45,712
31,169
30,695
合
計
区
分
年
度
15 年
14 年
13 年
12 年
書類選考入試
オープン入試
11 年
15 年
14 年
13 年
12 年
11 年
男
子
校
1,321
1,328
1,360
1,133
908
155
141
159
245
93
女
子
校
444
265
267
213
190
88
86
61
41
135
共学別学校
2,807
569
84
3
-
1,042
1,133
651
706
840
合
計
4,572
2,162
1,711
1,349
1,098
1,285
1,360
871
992
1,068
区
分
年
度
※書類選考入試の共学別学校の 2011 年は、実施校なし
合計
15 年
14 年
13 年
12 年
11 年
男
子
校
5,707
6,105
5,917
5,747
5,097 女
子
校
3,425
3,539
3,543
2,750
2,329 共学別学校
45,431
44,935
43,562
29,601
30,049 合
54,563
54,579
53,022
38,098
37,475 計
表は小社(エデュケーショナルネットワーク )のアンケート集計で、一部入試結
果未公表の学校があることと、二次募集は含んでいない学校もあるため最終結果
ではない。推薦入試・一般入試・書類選考入試・オープン入試を合計した県内私
立高校の応募者数は、2012 年まで 37,000 件~38,000 件だったが、2013 年は一気に
53,000 件を突破した。昨年は 54,000 件を超え、今年もその水準を維持している。
今年は公立中 3 生が減っているため、ごくわずかではあるが、受験生 1 人あたりの
私立応募数は増加している。
一昨年、大幅に増加したのは公立高校入試の前後期一本化で私立の一般入試が
14,000 件以上も増加したからだ。それまでの前後期制では、公立の前期選抜の合
格者は私立の一般入試に応募する必要がない日程だった。そのため、前期選抜に
応募する受験生は、前期に不合格だったら後期選抜の前に「押さえの学校を確保
しておこう」と、私立の一般入試に応募していた。これが前後期一本化で前期選
抜がなくなったため、基本的には公立第一志望の受験生なら誰でも「押さえ」とし
て私立に応募するようになったための増加だ。しかし、実際にはそれまでの公立
前期選抜の合格者数に相当するほどには私立の応募者は増えていない。
次のページのグラフは、各都県の私立高校の出願総件数を、その年の公立中 3
24
1.6
生徒数で割った、生徒 1 人あたりの私立
公立中3生1人あたりの平均私立高校出願数
(人)
出願件数の推移である。東京はこの 4 年
1.4
間、生徒 1 人あたり 1.35~1.37 件、千葉と
1.2
埼玉は 1.11~1.14 件の水準なのに対して、
1.0
東 京
件、2 0 1 3 年 以降は 0.7 7~0.7 8 件である。
前述のように、今年は受験生 1 人あたり
3
生
生
0
生
3 3 3
年 公立中
年 公立中
年 公立中
0.2
生
0.4
0.6
神奈川は前後期制だった 2012 年が 0.56
12 13 14 15
年 公立中
0.8
の 県 内 私 立 応 募 数 は 増 加 し て い る が、
神奈川
千 葉
埼 玉
「0.77 件→ 0.78 件」のレベルの話で、東京
はおろか千葉、埼玉の水準に及んでいな
い。前後期制の時代、公立一本で、前期が不合格でも私立に応募しないまま後期
を受験していた受験生が、推定で全県に約 5,000 名いた。こうした受験生はやや
減ったものの今も健在で、私立には出願せず、今年も公立一本の高校受験を行っ
ている。
応募総数に話を戻す。内訳では推薦入試とオープン入試の応募者数がやや減少、
一般入試が減少して書類選考入試が増加している。公立中 3 生徒数は減少してい
るが、書類選考入試の増加で昨年並みの応募総数になっている。表を見ると、今
年は共学別学校の書類選考の応募者が大きく増えているが、これは桐蔭学園が新
規に実施したからだ。女子校も増加しており、書類選考の拡大が今年の特徴だ。
さて、今更の話ではあるが、神奈川では私立高校の一般入試は公立中との入試
相談を行うのが主流で、慶應義塾や日本女子大附属など、入試相談を実施してい
ない学校もあるものの、応募総数では入試相談を経たものが大多数である。一部
の難関校の一般入試と、オープン入試だけが入試相談を行っていない。あとは推
薦入試にせよ書類選考入試にせよ、入試相談が必須となっている。一般入試の応
募者が減って、書類選考入試が増えているが、
「入試相談が必要な入試」の観点か
らは大きな違いはない。受験生が直前まで頑張って入試に挑戦するのではなく、
書類選考も含め、中学と高校が事前に相談する入試が主流になっているわけで、
こうした神奈川県の入試状況に大きな変化は見られなかった。
1. 応募者数や入試結果が目立った学校
慶應義塾は昨年まで横ばいだった応募者数が今年は減少した。今年の公立高校
入試日程だと、同校の一般入試 2 次と競合することから、同校が 1 次・2 次とも 1
日前倒しで入試を実施していて、例年なら併願できない筑波大駒場など都内国立
校との併願が可能になったが、逆に 2 月 12 日に入試を行う私立高校との併願がで
きなくなった。12 日の私立を抑えとして 13 日に慶應を狙う従来の受験パターンが
組めず、同校を断念した受験生も出たかもしれない。法政第二の一般入試は長年、
英国必須、数・理・社から 1 科目選択だったが、2016 年度から男女別定員制によ
る共学化を予定していて、その準備として一般的な国数英のみに変更した。もと
もと理・社選択は少数だったが、一定の人気があっただけに、残念に思った受験
生もいただろう。昨年の数学選択と比べると応募者はかなり増えたが、各選択合
25
計との比較では小幅の増加に留まった。合格者数を絞ったため、実質倍率は上昇
したが、合格最低点は少し下がっている。
法政女子は一昨年、昨年と応募者が減っていたが、今年は増加した。一般入試
が増えている。合格者はあまり増やしていないので、その分高倍率になった。合
格最低点は昨年と同水準だ。日本女子大附属は 2012 年から隔年的に応募者数が変
化するようになっている。今年は順番通り応募者は減少した。ただ、減ったのは
推薦入試で、一般入試は減っていない。同校の推薦は神奈川では珍しく不合格が
出るが、今年は全員が合格した。一般入試は昨年より合格者を増やしたが、合格
最低点は上昇している。昨年共学化した中大附属横浜はオープン入試の応募者が
大きく減った。推薦や公立中学との入試相談がある一般入試は増えている。昨年
のオープン入試は男子が 14 倍、女子は 10 倍を超える実質倍率だったのでその反動
だが、それでも男女とも 10 倍を超える大激戦だった。日本大学は公立中との入試
相談がある一般入試も、オープン入試も応募者が大きく増えている。2 月 10 日の
オープン A は昨年並みの合格最低点だが、14 日の B は上昇した。B は合格者が増
えて実質倍率が下がっている中での上昇だ。
桐蔭学園は前述のように入試相談を行う一般 B 方式を書類選考に切り替えて、
男女、普通・理数合計で 1,300 名を超える応募者があった。その分、オープン型は
減っていて、合計では若干増加している。桐光学園の一般入試はオープン型だけ
で、男子は 2 月 10 日の 1 回が応募者増、12 日の 2 回は減少、女子は逆だった。一部
に合格最低点がやや上がっている回次が見られる。山手学院はオープン型の一般
入試の応募者がやや増えたが、入試相談を行う一般併願受験は減っている。オー
プン型の合格最低点は少し上がっている。
昨年応募者が減っていた東海大相模は、今年は推薦では女子の、一般入試では
男子の応募者の増加が目立った。麻布大附属は、昨年応募者が大きく増えたが、
今年も大きく増えている。昨年は体育系のコースを募集停止とし、校名を麻布大
淵野辺から変更、今年は特進コースを新設するとともに書類選考入試も新設した。
こうした姿勢が受験生に支持されている。鶴見大附属も昨年に続いて応募者が増
加した。同校は特進と総合進学の 2 コース募集で、一昨年初めて一般入試で入試
得点によるコース分けを実施した。神奈川以外では珍しくない入試だが、神奈川
では入試相談時にコースの目安を求められるケースが多く、一般的とは言えない。
この方式をあえて実施し、しかも出願基準を引上げたために応募者は減少したが、
昨年は増加、今年はコース単位の出願に戻したこともあって、さらに増加した。
アレセイア湘南は、昨年は応募者が減っていたが今年は増えている。増加の中心
は進学コースの一般入試だが、特進選抜と、進学特化から改称した特進コースの
書類選考も少しずつ増えている。
横浜、高木学園女子、横浜創英や、特進コースを進学コースアドバンスセレク
トとし、大学直結の技術コースを新設した湘南工科大附属は応募者がやや減って
いる。鎌倉学園や相模女子大、日大藤沢などの他校は、細かい変化はあるが、応
募者数は概ね昨年並みだった。
文・池田 亨(<株>エデュケーショナルネットワーク・データ課長 )
26
大学入試
データから見た
薬学系分野の現状と課題
大学入試で人気の高い医療系について、前々号で看護系の現状を分析した。
今回は薬学系について考えてみよう。
● 5 年次の進級率と国家試験合格率
大学の薬学部は 2006 年に 6 年制が導入され、新しい時代を迎えた。しかし、国
公立大を中心に強い反発もあり、最終的に 6 年制と 4 年制を並立も可能という変則
的なシステムで決着した。ここで、6 年制は主として薬剤師養成への道、4 年制は
大学院進学も視野に入れて研究者養成への道とはっきり分かれることになった。
当然ながら、国公立大は並立制を取り、私立大は 6 年制一本というコースが主流
になった。
現在、国公私立大合わせた 6 年制と 4 年制の定員比率を見ると、6 年制が約 85%
を占めている。そこで、今回は薬学部の 6 年制を中心に話を進めるが、当然私立
大が分析対象になる。
大学の薬学部を評価する目安として、薬剤師の国家試験合格率がある。合格率
が高ければその薬学部の質が高いということになるのだが、実際はそれほど単純
ではない。
例えばある大学の薬学部の入学生 100 人のうち、初めから国家試験に合格する
のが難しいと思われる生徒が 30 人いたとする。そこで、大学はその 30 人を除外し
て残り70人を受験させ、60人が合格した。すると、合格率は(60/70)×100=85.7%
になる。しかし、入学生に対する割合は(60/100)× 100 = 60%でしかない。
したがって、単に合格率だけを見てもその薬学部の実態はわからない。そこで
実態を考える指標として使われるのが、入学生の数と 6 年後の国家試験で実際に
受験した数を比較して、その差を見ていくやり方であるが、ここでは入学者と国
家試験受験者の数だけでなく、
5 年次での留年者と進級率という項目に注目した
(表
① 私立 56 校中、データが明確な 54 校対象 )
。平成 20 年度(2008 年度 )入学生の
データをベースにして、入学者から 5 年次の進級者の数を引いた数(つまり留年生
<休学、その他を含む>の数 )が少ない順に、大学を並べている。ただし、大学
によって入学者数にバラつきがあるので、進級率も算出し、その順位も示した。
このデータよって、大学ごとの薬学教育の実態がさらに明確になると思う。
表②は国家試験合格率の順位によって並べたデータである。これを、表①の 5
年次への進級率と突き合わせて見ると、進級率上位の安田女子大(1 位 )
、金城学
院大(2 位 )
、長崎国際大(4 位 )は順に 40 位・49 位・31 位と下の位置になる。これ
に対して、進級率 91.4%
(3 位 )の武蔵野大は合格率も 85.6%と全体の 3 位で、教育
の質の高さがうかがわれる。明治薬大も 5 年次の留年生の数は多いが(41 名 )
、入
学生も多いので、進級率 7 位→合格率 4 位は十分な結果と言えるだろう。進級率 5
27
表① 平成 20 年度入学生の 5 年次進級率
大 学 名
( )内は設立年
安田女子大学(H.19)
金城学院大学(H.17)
長崎国際大学(H.18)
武蔵野大学(H.16)
同志社女子大学(H.17)
奥羽大学(H.17)
青森大学(H.16)
高崎健康福祉大学(H.18)
東京理科大学
福岡大学
福山大学
東邦大学
岩手医科大学(H.19)
慶應義塾大学(共立薬科大学 )
広島国際大学(H.16)
鈴鹿医療科学大学(H.20)
立命館大学(H.20)
崇城大学(H.17)
姫路獨協大学(H.19)
近畿大学
いわき明星大学(H.19)
松山大学(H.18)
武庫川女子大学
大阪大谷大学(H.18)
北海道医療大学
新潟薬科大学
昭和薬科大学
昭和大学
就実大学(H.15)
愛知学院大学(H.17)
明治薬科大学
神戸薬科大学
城西国際大学(H.16)
日本大学
城西大学
千葉科学大学(H.16)
星薬科大学
国際医療福祉大学(H.17)
東北薬科大学
兵庫医療大学(H.19)
第一薬科大学
徳島文理大学(香川校含む )
帝京平成大学(H.16)
九州保健福祉大学(H.15)
摂南大学
北海道薬科大学
京都薬科大学
名城大学
神戸学院大学
帝京大学
東京薬科大学
北陸大学
日本薬科大学(H.16)
横浜薬科大学(H.18)
平成 20 年度入学生
24 年度の
入学者数
5 年次進級者
73
120
102
140
113
55
47
98
127
235
149
250
161
188
172
114
114
133
96
169
85
113
267
155
170
182
262
201
100
158
322
288
156
269
291
148
271
171
339
193
118
170
214
196
240
227
371
277
260
330
427
215
250
390
70
114
93
128
97
38
28
77
104
212
125
224
134
160
143
85
85
102
65
137
53
79
232
118
132
144
223
161
60
118
281
243
110
222
242
97
219
118
283
134
58
109
152
133
176
155
297
201
183
233
313
101
96
171
28
5 年次の
進級率
95.9%
95.0%
91.2%
91.4%
85.8%
69.1%
59.6%
78.6%
81.9%
90.2%
83.9%
89.6%
83.2%
85.1%
83.1%
74.6%
74.6%
76.7%
67.7%
81.1%
62.4%
69.9%
86.9%
76.1%
77.6%
79.1%
85.1%
80.1%
60.0%
74.7%
87.3%
84.4%
70.5%
82.5%
83.2%
65.5%
80.8%
69.0%
83.5%
69.4%
49.2%
64.1%
71.0%
67.9%
73.3%
68.3%
80.1%
72.6%
70.4%
70.6%
73.3%
47.0%
38.4%
43.8%
留年・休学・その他
入学者数
-5 年次の進級者
3
6
9
12
16
17
19
21
23
23
24
26
27
28
29
29
29
31
31
32
32
34
35
37
38
38
39
40
40
40
41
45
46
47
49
51
52
53
56
59
60
61
62
63
64
72
74
76
77
97
114
114
154
219
進級率
順位
1
2
4
3
9
41
50
25
19
5
13
6
15
11
17
30
31
27
45
20
48
39
8
28
26
24
10
22
49
29
7
12
37
18
16
46
21
42
14
40
51
47
35
44
32
43
23
34
38
36
33
52
54
53
表② 平成 20 年度入学生の国家試験合格率
大 学 名
名城大学
九州保健福祉大学(H.15)
武蔵野大学(H.16)
明治薬科大学
昭和薬科大学
京都薬科大学
福岡大学
慶應義塾大学(共立薬科大学 )
就実大学(H.15)
星薬科大学
近畿大学
日本大学
神戸薬科大学
東北薬科大学
北海道医療大学
東邦大学
崇城大学(H.17)
愛知学院大学(H.17)
摂南大学
東京薬科大学
千葉科学大学(H.16)
東京理科大学
いわき明星大学(H.19)
同志社女子大学(H.17)
神戸学院大学
立命館大学(H.20)
松山大学(H.18)
武庫川女子大学
鈴鹿医療科学大学(H.20)
昭和大学
長崎国際大学(H.18)
城西大学
福山大学
新潟薬科大学
大阪大谷大学(H.18)
広島国際大学(H.16)
北海道薬科大学
国際医療福祉大学(H.17)
城西国際大学(H.16)
安田女子大学(H.19)
徳島文理大学(香川校含む )
帝京大学
兵庫医療大学(H.19)
姫路獨協大学(H.19)
横浜薬科大学(H.18)
帝京平成大学(H.16)
高崎健康福祉大学(H.18)
金城学院大学(H.17)
青森大学(H.16)
北陸大学
日本薬科大学(H.16)
奥羽大学(H.17)
第一薬科大学
24 年度の
5 年次進級者
201
133
128
281
223
297
212
160
60
219
137
222
243
283
132
224
102
118
176
313
97
104
53
97
183
85
79
232
85
161
93
242
125
144
118
143
155
118
110
70
109
233
134
65
171
152
77
114
28
101
96
38
58
卒業者数と国家試験
国家試験(新卒者 )
5 年次進級者
受験者数
数 - 受験者数 合格者数
合格率
224
126
125
288
207
325
212
162
61
238
146
183
276
264
123
223
93
113
195
378
64
99
46
105
213
86
61
169
81
167
57
203
122
131
93
76
170
96
107
65
152
237
117
41
139
94
62
95
25
145
88
46
50
23
-7
-3
7
-16
28
0
2
1
19
9
-39
33
-19
-9
-1
-9
-5
19
65
-33
-5
-7
8
30
1
-18
-63
-4
6
-36
-39
-3
-13
-25
-67
15
-22
-3
-5
43
4
-17
-24
-32
-58
-15
-19
-3
44
-8
8
-8
29
204
110
107
244
175
273
177
133
49
191
117
145
218
207
95
170
70
85
141
269
45
69
32
72
145
58
40
110
52
106
36
128
75
79
56
45
99
53
58
35
80
124
60
21
70
43
28
39
10
51
30
12
11
91.07%
87.30%
85.60%
84.72%
84.54%
84.00%
83.49%
82.10%
80.33%
80.25%
80.14%
79.23%
78.99%
78.41%
77.24%
76.23%
75.27%
75.22%
72.31%
71.16%
70.31%
69.70%
69.57%
68.57%
68.08%
67.44%
65.57%
65.09%
64.20%
63.47%
63.16%
63.05%
61.48%
60.31%
60.22%
59.21%
58.24%
55.21%
54.21%
53.85%
52.63%
52.32%
51.28%
51.22%
50.36%
45.74%
45.16%
41.05%
40.00%
35.17%
34.09%
26.09%
22.00%
5 年次
進級率
順位
34
44
3
7
10
23
5
11
49
21
20
18
12
14
26
6
27
29
32
33
46
19
48
9
38
31
39
8
30
22
4
16
13
24
28
17
43
42
37
1
47
36
40
45
53
35
25
2
50
52
54
41
51
国家試験
合格率
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
位→合格率 7 位の福岡大も同様なことが言える。
逆に、国家試験の合格率が 1 位・2 位の名城大、九州保健福祉大がそれぞれ進級
率 34 位、44 位と低く、5 年次の留年生の数も多い。この両大学は国家試験の合格
率を上げるために、かなりの成績不振者を受験させていないことが明らかである。
いちばん問題なのは、進級率も低く、合格率も低い大学で、北陸大(留年者 114
名・進級率 52 位→合格率 35.2%= 51 位 )
、日本薬大(留年者 154 名・進級率 54 位→
合格率 34.1%= 52 位 )
、横浜薬大(留年者 219 名・進級率 53 位→合格率 50.4%= 46
位)
、第一薬大(留年者 58 名・進級率 51 位→合格率 22%= 54 位 )などは、ひどす
ぎる数字と言われても仕方ないだろう。
●薬剤師の将来の見通し
6 年間も大学へ行って薬剤師免許を取得し、就職はどうなのだろうか。現状は?
そして将来は? 私立大の薬学部卒はドラッグストア、調剤薬局への就職がほ
とんどで、病院は狭き門というのが一般的な見方である。取材したり、ネット上
の情報を当たってみたりしたが、ドラッグストアでの業務は品物の販売・管理が
中心で、レジ打ちも行い、スーパーの店員とあまり変わらないという印象を受け
る。全体的に、医療のスキルを生かせる仕事とは言い難い側面が多いと思われる。
さらに一般用医薬品については、登録販売者という資格で販売が可能になり、
大手薬品メーカーの商品知識があれば、だいたいは対応できるので、薬剤師は必
ずしも必要でなくなった。ドラッグストアにおける薬剤師の価値が低下し、給料
が下がっているとも言われる。
調剤薬局については、医薬分業の進行で、調剤バブルと言われるほど店の数が
増えている。
「調剤薬局の数はコンビニエンスストアよりも多く 5 万 5 千軒くらい
ある」
(薬業時報 )とも言う。高齢化社会が進んでいくため、患者数や使用する医
薬品も増加していくだろう。ただし、調剤薬局というのは、医師の処方により、
保険調剤によって支払われるので報酬は国から決められている。国は医療費の増
大に対応できる財政的な余裕がないため、調剤薬局が儲かりすぎという批判が高
まってきている。報酬は上がらないどころか下がる可能性が高く、給料も増えな
いというのが現実的な見通しだ。調剤薬局は民間企業なので効率性が優先する。
既に、採算が取れず、閉店するところが出始めている。
平成 22 年度・23 年度(2010 年度・2011 年度 )の 2 年間は、薬学部が 4 年制から 6
年制への移行に伴って、新卒の国家試験受験者がいないため、薬剤師の数が大き
く減少した。その分の需要はまだあるが、調剤薬局の経営はかなり厳しくなって
きたので数年後に薬剤師が飽和する可能性もある。さらに、調剤薬局は職場が小
規模で狭いため、同僚や上司との人間関係上のトラブルによる退職も少なくない
と言われる。
最後に病院だが、薬剤師の地位が確立されており、特に大学病院は医療者とし
ての力が十分発揮できる。ただし、よほどの能力とチャンスがないと就職するの
は難しい。こうして見てくると、薬剤師の将来は決して安泰とは言えないようだ。
文・大堀精一((株 )学研教育みらい「学研 進学情報」監修 )
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