江戸時代 - 群馬県立近代美術館ホームページ

群馬県立近代美術館 展示室7
平成27年6月27日(土)~8月2日(日)
どうぶつ絵画
このたびの日本画の展示では、子どもたちにも日本画に親しんでいただこうと、コレクションの中から
「どうぶつ」をテーマに作品を選びました。江戸時代では、中国の禅僧牧谿(もっけい)のスタイルで
描かれた手長猿(№1)、一方江戸時代半ばに舶来した象と異国人を繊細な筆遣いで描いた作品(№3)や
北斎の鯉の質感や水中の光までを表した作品(№4)など新しい表現が見られます。近代になると江戸時
代までの花鳥画の伝統に西洋の写実を本格的に取り入れ、どうぶつへの見方、表し方が変化してゆきま
す(№6)。戦前期に活躍した福田元子は、鳥の絵を得意とし、全国の営巣地を訪れ鳥の新たな表現を追
求しました(№12)。また、石原紫雲は、晩年に画室の庭に集まる雀を人間くさいユーモラスな生き物と
して描いています(№15、16)。髙橋常雄は、普遍的な世界観を曼荼羅(まんだら)や須弥山(しゅみせん)
のイメージをヒントに鹿や鳥を組み合わせて描いています(№17、18)。人と動物の長い関わりの中で、
さまざまに描かれた動物画の豊かさをどうぞお楽しみください。
№ 作者名
そ が
作品名
に ちょく あん
制作年
技法材質、形状
寸法 (縦×横㎝) 備考
松猿図
江戸時代
紙本墨画・軸装
98.7×40.0
戸方庵井上コレクション
鷺図
江戸時代
絹本墨画・軸装
97.5×33.1
戸方庵井上コレクション
馴象図
江戸時代
絹本着色・軸装
26.8×36.8
戸方庵井上コレクション
鯉図
江戸時代
絹本墨画淡彩・軸装
101.9×44.0
戸方庵井上コレクション
江戸時代
絹本着色・軸装
141.2×34.2
寄託作品
1917(大正6)年
絹本着色・軸装
151.5×70.4
土岐文英氏寄贈
1934(昭和9)年
絹本着色・軸装
130.1×41.0
大森暢久氏寄贈
雨呼ぶ鳥晴呼ぶ鳥
1935(昭和10)年
絹本着色・軸装
64.8×71.8
大沢ウメ氏寄贈
しょうえん
1
曾我二直庵
2
尾形光琳
3
亜欧堂田善
4
葛飾北斎
5
立原杏所
6
木村武山
7
礒部草丘
8
岸浪百艸居
9
速水御舟
はや み ぎょ しゅう
つぐみ
1929(昭和4)年頃
紙本着色・額装
44.3×50.3
10
速水御舟
ひたき
1931(昭和6)年頃
紙本着色・額装
44.5×47.8
11
礒部草丘
花鳥図屏風
1935(昭和10)年
紙本着色・六曲一隻
155.0×335
12
福田元子
磯
1942(昭和17)年
絹本着色・額装
168.3×100.4
13
内海加寿子
雉子
1951(昭和26)年
紙本着色・額装
75.0×53.6
内海芳子氏寄贈
14
礒部草丘
鴛鴦
1956(昭和31)年
絹本着色・軸装
42.4×50.7
大森暢久氏寄贈
15
石原紫雲
1975(昭和50)年
紙本墨画淡彩・軸装
137.1×68.8
石原成徑氏寄贈
16
石原紫雲
角鴟と雀図
1975(昭和50)年頃 紙本墨画淡彩・軸装
138.4×69.5
石原成徑氏寄贈
17
髙橋常雄
化現
1972(昭和47)年
紙本着色・額装
150.0×75.0
髙橋富枝氏寄贈
18
髙橋常雄
宇
1973(昭和48)年
紙本着色・額装
145.7×70.5
作者寄贈
19
山口華楊
1977(昭和52)年
紙本着色・額装
48.7×61.7
井田文夫氏遺贈
こう りん
あ
おう どう でん ぜん
かつ しか ほく さい
きょうしょ
ぶ ざん
いそ べ
そう きゅう
きしなみ ひゃく そう きょ
か ず こ
し うん
か
よう
くん ぞう
りゅう いん い ん ば
柳陰飲馬図
く
じゃく
孔雀
りょく いん ゆう きん
緑陰遊禽図
あめ
き
よ
とり はれ よ
とり
じ
えん おう
ぐん じゃく
群雀図
みみずく
け げん
う
ふもと
麓
*作品保護のため、会場内の温度・湿度、照度を調整して展示しています。
【次回予告】
「井上有一の書」 8月4日(火)~8月30日(日)
8月15日の終戦記念日にあわせ、東京大空襲の記憶を作品へと昇華させた、井上有一の書を展示します。
大森暢久氏寄贈