高2 最難関大物理α 春期講習 第1講 … 運動方程式 第2講 … 運動方程式⑵ 能開センター高校部 物理解説集 「力学」 力(ベクトル 量) ①重力 ニュートン = ・ :地球から引かれる力。 :重力加速度。 = ②張力 :糸がピンと張っていれば張力は一定。 ③抗力 ⅰ)垂直抗力 :床が物体を押す力(接触面に垂直) ⅱ)摩擦力 :運動しようとする向きの逆向きに働く力 (接触面に平行) 静止摩擦力: ( :最大静止摩擦係数) を最大静止摩擦力という 動摩擦力: = ( :動摩擦係数) 動摩擦力は一定である。 最大静止摩擦力 > 動摩擦力 > > ニュートンの運動の3法則 ⅰ)慣性の法則:物体に働く力の合力が0のとき、物体は静止しているかあるいは 等速直線運動の状態を続ける。 ⅱ)運動の法則:物体に力が働くとき、物体の加速度の向きはその力の合力の向きと同じ で、加速度の大きさは、力に比例し、物体の質量に反比例する。 ⅲ)作用反作用の法則:物体 が物体 に力を作用させるとき、物体 は物体 に、大き さが等しく逆向きの力を作用させる。 -2- 運動方程式(力の関係式) :ニュートンの第2法則に従う。 = 加速度 力 (因果関係) 運動方程式のたて方。 ①特定の物体に着目する。 ②それ以外の物体から着目し物体に作用する力を書き込む。 ③加速度、力はベクトル量であるから、それを成分表示するために 座標系を導入する。 ④式が足りないときは束縛条件を導入する. -3- 1 右図のような滑車装置に人が乗り,綱の一端を引っ張って,落ちないようにささえている。 人の重さは 60 kgw ,動滑車の重さは 5 kgw ,板の重さは10 kgw で,綱の重さ,および,綱と 動滑車との摩擦は無視できるものとする。 ⑴ 人が綱を引いている力の大きさは何 kgw か。 ⑵ 人が板から受けている力の大きさは何 kgw か。 ⑶ 板の上に重さW kgw の荷物を置く。このとき人が荷物を 支えられるための荷物の重さの最大は何 kgw か。 -4- 2 図に示すように,質量 M 〔 kg 〕の小さなおもり A と,質量 3M 〔 kg 〕 の小さなおもり B を糸で結び,なめらかな滑車 P にかける。さらに,こ の滑車 P と小さなおもり C を糸でむすび,天井からつってあるなめらか な滑車 Q にかける。滑車と位置の重さは無視し,重力の加速度は Q d h g 〔 m / s 2 〕として,以下の問いに答えよ。 ⑴ はじめ, A , B , C を固定し,ついで A と B だけを静かに放すと, ( a )滑車 P と C を結ぶ糸の張力はいくらになるか。 ( b ) A の加速度の大きさはいくらになるか。 P C A B ⑵ 再び A , B , C を固定し,ついで A , B , C 全部を同時に静かに放す場合を考える。 ( a )いま, C の質量が 4 M 〔 kg 〕であるとき, A と B の質量の和が C の質量に等しいにも かかわらず C は動きはじめるという。 (ア) C の加速度の大きさはいくらか。 (イ) A と B を結ぶ糸の張力はいくらか。 (ウ) A と B は,はじめ天井からの距離 h 〔 m 〕の同じ高さに, C は天井からの距離 d 〔 m 〕の 高さにあったとする。この A と B の高さの差が l〔 m 〕になるとき,A と C の位置はどうなるか。 天井からの距離で示せ。 ( b ) C が静止を続けるのは, C の質量がいくらのときか。 -5- 3 図のように、頂角 、斜面の長さ l の直角三角形を断 面とする物体 M (質量 M )が水平面上にある。M の斜 面上に物体 m (質量 m )をのせたところ, m はすべり 落ち始め,同時に M も水平面上をすべり始めた。図 のように座標系を設定した時,以下の問いに答えよ。 ただし座標軸の向きを正方向として答えよ。重力加速 度の大きさを g とする。 y ⑴ 物体 M の水平方向の加速度 Ax m M x ⑵ 物体 m の水平方向の加速度 a x ⑶ 物体 m の垂直方向の加速度 a y ⑷ 物体 M , m 間の垂直抗力 N ⑸ 物体 m が斜面に沿って l だけ滑ったとき,物体 M はだれだけ移動したか。 -6- 4 図に示すように質量 M の直方体が水平面上に置かれている。 M の上に置かれた質量 M 2 の物体から水平に張ったひもを滑車 にかけ,その先端に質量 M 1 の物体を鉛直につり下げる。M 1 の側 面は M と接し,上下になめらかにすべることはできるが,離れな M2 F いような構造になっている。ただし,ひもは伸びず,その質量は無 視できる。また重力加速度は g とする。 ⑴ M を水平面上に固定し, M 2 と M の間の静止摩擦係数を M1 M h とするとき, M 2 が動き出すため に必要な M 1 の最小値を求めよ。 ⑵ ⑴で M 2 と M の間に摩擦がないものとし, M 1 の底面が高さが h になるように M 2 をおさえた 状態から手をはなした。 M 1 が水平面に達するまでの時間t を求めよ。 ⑶ ⑵で M を水平面上に固定せず、なめらかに動けるようにして, M 2 から手をはなした。 M 1 が水平面に達するまでの間に M が動く向き,および距離 x を求めよ。 ⑷ ⑶で M に水平方向右向きに,つねに一定な力 F を加えて M を動かし, M 1 , M 2 から手を はなしていても M 1 , M 2 が M に対して動かないようにしたい。 F を求めよ。 (東京工業大学) -7-
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