病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012.11 標準予防策 e.鋭利器具の取り扱い 1. 鋭 利 器 材 の取 り扱 い時 の注 意 事 項 ・採 血 、静 脈 注 射 、留 置 針 の挿 入 を行 うときは、必 ず手 袋 を着 用 すること。 ・リキャップしない。 ・病 室 で鋭 利 器 材 を使 用 するときは、携 帯 用 針 廃 棄 容 器 を用 意 し、使 用 直 後 、その場 で 廃 棄 する。 ・使 用 後 の鋭 利 器 材 は、使 用 者 自 身 が廃 棄 する。 ・使 用 後 の鋭 利 器 材 の手 渡 しはしない。 ・使 用 後 の鋭 利 器 材 を直 にトレーに入 れて持 ち運 ぶことはしない。 ・使 用 後 の鋭 利 器 材 (シリンジの針 、持 針 器 に付 いたメス刃 など)を手 で分 解 しない。 ・採 取 した血 液 ・体 液 を、試 験 管 に直 接 針 を刺 して分 注 しない。 ・可 能 な限 り、安 全 装 置 付 き器 材 を使 用 し、使 用 後 は速 やか、かつ確 実 に安 全 装 置 を 作 動 させること。 2. 採 血 、注 射 実 施 時 の準 備 ・ベッドサイドで採 血 、及 び注 射 を実 施 する際 は、直 後 に針 を廃 棄 するために携 帯 用 針 廃 棄 容 器 と、皮 膚 への血 液 曝 露 を防 止 するために手 袋 を携 帯 する。 【 図 1: 採 血 用 具 一 式 ワ ゴ ン 搭 載 例 1-e-1 】 病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012.11 3. 鋭 利 器 材 を落 としてしまった場 合 の対 処 ・ 鋭 利 器 材 を落 としてしまった時 は、素 手 で拾 わない。 ・ 携 帯 用 針 廃 棄 容 器 を準 備 し、手 袋 を着 用 し、針 先 (刃 先 )より遠 方 を持 って拾 うか、 確 実 に把 持 できる器 具 で拾 い上 げ、速 やかに廃 棄 容 器 に廃 棄 する。 ・ 鋭 利 器 材 をむき出 しのまま持 ち歩 くことはしない。 ・ 患 者 ・面 会 者 など医 療 従 事 者 以 外 の人 が発 見 した場 合 には、自 分 で拾 わず医 療 者 へ連 絡 するよう依 頼 する。 ■安全装置付き留置針 ■ 安全装置付翼状針 ■ ニードルレス輸液ライン ■縫合針(鈍針) ■携帯用針廃棄容器 ■血液ガス採血キット 【図 2 安全装置付き器具一覧】 1-e-2 病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012.11 4. リキャップせざるを得 ない場 合 のリキャップ法 ワンショットの注 射 液 を詰 めた後 のリキャップはミキシング専 用 キーパー2を用 いて 下 記 のように実 施 する。 立てておいた注射針キャップに 穴に注射針キャップを 立てる 【図3 針を確実に押し込みリキャップする ミキシング専用キーパー2を使ったリキャップ法】 5.ペン型インスリン針による針刺しを防ぐために ペ ン 型 イ ン ス リ ン に は い く つ か の 種 類 が あ る の で 、必 ず 説 明 書 を 確 認 し 、使 用 す る 。各 種 類 に 共 通 し た 針 刺 し 防 止 対 策 と し て は 、ペ ン 型 イ ン ス リ ン 針 を カ ートリッジからはず際、素手でリキャップしないこと。 ・ペン型インスリン注射の安全な操作方法 1)アルコール綿でインスリンカートリッジ先端のゴム栓を消毒する。 2)注射針の保護シールをはがす。 3 )注 射 針 を イ ン ス リ ン カ ー ト リ ッ ジ の ゴ ム 栓 に 垂 直 に 刺 し 、時 計 回 り( 右 回 り)に、止まるまでしっかりと回して取り付ける。 4 )針 が つ い て い る ほ う を 上 に 向 け 針 カ バ ー を 取 り 外 す 。こ の 針 カ バ ー は あ と で使用するため捨てない。 5 )そ れ ぞ れ の イ ン ス リ ン の 使 用 方 法 に 従 っ て 単 位 数 を 2 に 合 わ せ ま す 、こ こ で初めて針キャップを取り外し、空打ちする。 6)指示された単位数に設定し注射する。 7 )針 カ バ ー を 携 帯 用 廃 棄 容 器( キ ー パ ー 2 )の 孔 に 、図 5 の よ う に 逆 さ に 設 置する。 8 )注 射 後 、カ ー ト リ ッ ジ に 取 り 付 け た 針 を 下 に 向 け 、キ ー パ ー 2 に 設 置 し た キャップにしっかり押し付け、リキャップする。 9 )リ キ ャ ッ プ さ れ た 針 と 、イ ン ス リ ン カ ー ト リ ッ ジ の 接 続 部 分 を 手 で 捻 っ て (左回り)はずし、キーパー2に捨てる。 1-e-3 病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012.11 1-e-3 ①注射針の保護シー ルをはずし、インス リンカートリッジ先 端のゴム栓に垂直に 刺し、時計周り、止 まるまでしっかりま わす ②インスリン単位数を合わ せ、針キャップをはずし空 打ちする ※キャップは捨てない! ③針キャップを携帯用廃棄 容器(キーパー2)の孔に逆 さにセットする ④注射後、カート リッジに取り付けた 針を、キーパー2に 設置したキャップに しっかり押し付け、 リキャップする。 ⑤カートリッジと針の接続部 ⑥にしっかりリキャップ を捻ってはずす された針を持ち廃棄する 図4 ペン型インスリン針の取り外し方 ・ペン型インスリン針を使用している患者への指導 入院中、ペン型インスリン注射器を用い、インシュリン自己注射を行う患 者へは以下の点を説明する。 <入院中の指導> 1) 可能な限り、インスリン自己注射は処置室などで行うよう指導する。 2 ) 病 室 で 行 う 場 合 は 、不 適 切 な 処 理 が 、同 室 者 や 清 掃 職 員 の 針 刺 し リ ス ク となるため、針の廃棄方法、針の落下、針の紛失時の対応を指導する。 ①携帯用廃棄容器を渡し、使用方法を説明する。 ②使用後の針は、速やかに携帯用廃棄容器に廃棄するよう指導する。 ま た 、血 液 の 付 着 し た ア ル コ ー ル 綿 も 携 帯 用 廃 棄 容 器 に 廃 棄 す る よ う 指導する。 ③針の落下、針の紛失時は、看護師に連絡するよう説明する。 <在宅で発生する針の処理に関する指導> 在 宅 で 発 生 し た 針 を 不 適 切 に 廃 棄 す る と 、同 居 し て い る 家 族 や ゴ ミ 収 集 業 者 の 針 刺 の リ ス ク と な る た め 、14-5「 在 宅 医 療 で 発 生 し た 感 染 性 廃 棄 物 処 理 に つ い て の お 願 い 」及 び 、次 ペ ー ジ の ポ ス タ ー を 渡 し 、ガ ラ ス 瓶 等 の 堅 牢 な 容器へ入れ、かかりつけの病院に持参するよう説明する。 1-e-4 病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 1-e-5 2012.11
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