北信濃里山通信 vol.20

北信濃里山通信
vol.20
2015年 4 月 30日 発 行
巻頭言
「 オ オ ル リ シ ジ ミ が 飯 山 に 幸 せ を ・・・」
副会長
服部秀人
2015 年 度 か ら 副 会 長 を 仰 せ つ か り ま し た 、
「 飯 山 ス ロ ー ラ イ フ・ア グ リ ク ラ ブ 」の 服 部
です。どうぞよろしくお願いいたします。
地元住民として、会長の井田先生とともに、皆さんのお力をお借りして、オオルリシジ
ミが飯山に幸せを運んでくれるよう、精一杯力を注ぎたいと思います。
飯山の子どもたちに、オオルリシジミを誇りにして 欲しいです
オオルリシジミが本州では現在のところ、飯山でのみ放蝶が行われずに自然発生を続け
てきたという本種の危機的状況下において、専門家の皆さんが献身的に保護活動を推進し
てくださったお陰で、明るい展望が見られるようになりました。また、戸狩温泉スキー場
への緊急避難も奏効し、昨年は何頭か瑠璃色の姿を私たちに見せてくれました。
今年は是非、飯山の子どもたちに呼びかけて、親子で観察会に参加してもらえると嬉し
いです。小学校の先生方になるべくご負担にならないような参加形態で実施する方法が望
ましいと思います。あの美しいオオルリシジミを目の当たりにすれば、必ず皆さん、感動
されるはずです。子どもたちは、こんなすばらしい絶滅危惧種が飯山にいるのだ、と知っ
て誇りに思ってくれると思います。
百聞は一見にしかず、観察会にできるだけ多くの親子の皆さんから参加していただく方
策を考えましょう。
クララの苗を植えましょう
現在のオオルリシジミの生息地が自然に拡大す
るよう、関田山脈の麓の集落の家々に、何年かか
けて、クララの苗を植えていただきましょう。
これまでの保護活動の成果で、オオルリシジミ
の数が徐々に増え、集落の中でも蝶の姿を見られ
るように、今から準備をしていきましょう。
お知らせ
・ 第 18回 ( 平 成 27年 )『 カ タ ク リ の 道 観 察 会 』 と 『 五 束 太 々 神 楽 』
今年も恒例の『カタクリの道観察会』を開催します。当会も後援していますので、会のみな
さまも御参加ください。午後は神社のお祭りです。新しい飯山駅のからくり時計に登場する五
束太々神楽(長野県民俗無形文化財)も、ぜひご覧ください。参加申し込みは不要です。キノ
コ汁、手作りお米のおにぎりを用意しています!
【 日 時 】 平 成 27年 5月 3日 (日 ) 午 前 11:00~ 12時 30分
【場所】飯山市豊田 五束神社前
【 講 師 】髙 橋 勸 さ ん( 元・県 自 然 観 察 イ ン ス ト ラ ク タ ー )、井 田 秀 行 会 長( 信 大 教 育 学 部 准 教 授 )
・オオルリシジミ生息域外保全の放蝶作業
本 年 で 3年 目 と な り ま し た が 、 飯 山 産 オ オ ル リ シ ジ ミ の 生 息 域 外 保 全 と し て 、 試 行 的 に 戸 狩
地区で蛹を放飼する作業を行います。昨年と同様、赤玉土と蛹が入った小型植木鉢の土中への
埋め込み、看板の設置を行いますが、クララの植栽も予定しています。
本 年 の 放 蝶 頭 数 は 60頭 、 昨 年 放 蝶 し た も の の 自 然 発 生 も 調 べ な が ら 、 定 着 効 果 を 検 討 し ま す 。
当日は周辺に生息するギフチョウの調査、観察を併せて行いたいと思いますので、関心のあ
る方は参加ください。
【 日 時 】 平 成 27年 5月 10日 (日 ) 午 後 1:00~
【 集 合 場 所 】 飯 山 市 戸 狩 ス キ ー 場 星 降 る レ ス ト ラ ン 前 ( 飯 山 市 大 字 豊 田 6356-2)
そ の 後 、 放 飼 場 所 に 移 動 し て 作 業 を 行 い ま す ( 2~ 3 時 間 程 度 )。
参加申し込みは不要です。作業ができる服装でお越しください。
※ 羽 化 は 6月 上 旬 か ら 始 ま る と 思 わ れ ま す が 、 5 月 下 旬 か ら 発 生 状 況 調 査 を 随 時 行 い ま す 。
オオルリシジミ生息地環境整備
オ オ ル リ シ ジ ミ 発 生 前 の 生 息 地 環 境 整 備 と し て 、注 意 看 板 の 設 置 、ロ ー プ に よ る 保 護 区 設 営 、
観察会前の遊歩道の草の刈り払い作業を行いますので、参加をお願いします。
【日時】
5月 23日 ( 土 ) 及 び 5月 30日 ( 土 )
午 前 9:00~ 15:00頃( 終 わ り の 時 間 は 参 加 人 員・ 作 業 の 進 行 に よ り ま す ・・・。)
※ 雨 天 の 場 合 、 翌 日 の 5月 24日 ( 日 )、 5月 31日 ( 日 ) に 順 延 し ま す が 、 実 施 不
明 な 場 合 は 前 日 の 夕 方 、当 会 事 務 局( 飯 山 市 教 育 委 員 会 )TEL:0269-62-3342
へ問い合わせください。
【集合場所】飯山市公民館駐車場としますが、直接生息地に向かわれても結構です。
作業のできる服装でお越しください。
・「 第 4 回 ・ オ オ ル リ シ ジ ミ 親 子 観 察 会 」 の 開 催
本年は放蝶地と現生息地で「オオルリシジミ親子観察会」を行います。
【 日 時 ・ 場 所 】 6月 7日 ( 日 ) 午 前 8 :30~ 12:00 飯 山 市 戸 狩 地 区 の 放 蝶 地
6月 21日 ( 日 ) 午 前 8 :30~ 12:00 飯 山 市 内 の 生 息 地
【 集 合 場 所 】 飯 山 市 公 民 館 ( 飯 山 市 飯 山 1436-1)
【 日 程 な ど 】 6月 7日 は 8:30に バ ス で 開 会 場 所 ( 戸 狩 ス キ ー 場 暁 の 湯 駐 車 場 ) に 移 動 、 9:00に
開会し、徒歩で観察場所に向かいます。直接、開会場所に集合されても結構です
6月 21日 は 8:30か ら 受 付 、 9:00開 会 。 9:20頃 に バ ス で 生 息 地 へ 移 動 し ま す 。
※参加者にはオオルリシジミの観察とモニタリング調査(目視数をカウント)を
実施していただきます。
【 申 込 み 】 い ず れ か の 参 加 希 望 日 を 、 飯 山 市 教 育 委 員 会 学 習 支 援 課 ( 当 会 事 務 局 ・ TEL :
0269-62-3342) へ 5月 29日 ま で に お 伝 え く だ さ い 。
【その他】 山歩きに適した服装でお越しください。小雨決行です。中止すべきような悪天候
が予想される場合は、前日夕方までに連絡します。
※ 会 員 の み な さ ん に は 観 察 会 当 日 、一 般 参 加 者 に ガ イ ド・解 説 を お 願 い し た い と 思 い ま す の で 、
協力ください。また、関心のありそうな方などに呼びかけをお願いします。
活動報告
・「 定 期 総 会 」 と 「 い い や ま の 郷 土 食 と ブ ナ 利 用 を 考 え る 会 食 」
3月1日(日)に「味蔵・月あかり」で本年度の定期総会を開催し、昨年度の事業・決算報
告や本年度の事業計画・予算が承認されました。また、役員改選では、不在であった副会長職
に前飯山市公民館長の服部秀人さんの就任が決まりました。幹事には黒岩山保全協議会の田村
さんも加わり、北信濃の地域内での連携を深めたいと思います。
前 号 で 紹 介 し ま し た「 全 国 草 原 再 生 ネ ッ ト ワ ー ク 」へ の 加 入 や 、
「信州生物多様性ネットワー
ク ・ き ず な 」( 後 述 ) へ の 加 入 も 承 認 さ れ 、 本 年 の 活 動 も さ ら に 充 実 さ せ た い と こ ろ で す 。
昼 食 でいただいた郷 土 料 理 のお弁 当
総会終了後は、
「いいやまの郷土食とブナ利用を
考 え る 会 食 」と し て 、
「 い い や ま 食 文 化 の 会 」に 協
力 い た だ き 、「 長 野 県 シ ニ ア 大 学 32 期 生 “ お せ
っ か い グ ル ー プ ”」と 信 州 大 学「 ブ ナ の 実 」活 用 プ
ロジェクトチームが集まり、郷土食を味わいなが
らブナの実活用プロジェクトが紹介され、地域の
今後について意見交換を行いました。
昼 食 と し て い た だ い た 郷 土 料 理 は 、「 い も な ま
す 」、「 え ご 」、「 牛 蒡 の 太 煮 」、「 人 参 と ほ う れ ん 草
の 白 和 え 」、「 凍 み 大 根 の 煮 物 」、「 み ゆ き ポ ー ク の
ロ ー ル フ ラ イ 」、「 飯 山 産 コ シ ヒ カ リ 」、「 笹 ず し 」、
「きのこの味噌汁」で、いずれも飯山と縁のある
もので、お品書きに解説が記されていました。
味蔵・月あかりを経営されている「いいやま食
文化の会」会長の坂原シモさんから、飯山の食ご
よみ・季節の行事食や郷土食継承のための活動つ
いてお話しいただき、地域文化としての「食」の
大切さが伝わってきました。食文化の会では、他
にも加工所の運営や食育活動、イベントの開催な
どに取り組まれ、里山の食と保全活用を通して連
携していければと考えます。
いいやま食 文 化 の会 ・坂 原 さんのお話
ブナの実 ようかん
さらに井田会長をはじめとする信州大学「ブナ
の実」活用プロジェクトチームから「北信州の里
山資源“ブナ”の実を活用した地域活性化」につ
いて取り組みの紹介が行われ、長野県シニア大学
の卒業生(主に地元在住の北信学部)の方々の協
力を得て「飯山産ブナの実のようかん」の試食・
お披露目会が催されました。アズキのようかんの
中にブナの実を散らしたものですが、特徴がよく
現れていました。今後商品化に向け、ブナの実の
栄養機能やその確保、パッケージデザインなどを
検討中でプロジェクトは続けられるそうです
「ブナの実ようかん」が飯山の新たな名物とな
り 、ブ ナ の 森 の 保 全 に 関 心 が 高 ま れ ば と 思 い ま す 。
「 信 州 生 物 多 様 性 ネ ッ ト・き ず な 」へ の 加 入
2 月 15 日 に「 信 州 山 岳 環 境 魅 力 発 信 フ ォ ー ラ ム 」
が長野市内で開催されました。そこで行われた「信
州の豊かな自然を守るため」と題したフロアディス
カ ッ シ ョ ン の ま と め と し て 、「 信 州 生 物 多 様 性 ネ ッ
ト・きずな」の設立が信州大学の中村寛志先生(当
会 顧 問 )に よ り 宣 言 さ れ ま し た 。
「 き ず な 」は 市 民 活
動のネットワーク化を強化し、生物多様性保全活動
の一層の推進と拡大を図るものです。当会もこのネ
ットワークに加入することが、先日の総会で承認さ
れましたが、今後活動に役立てたいものです。
「きずな」の設 立 宣 言
カヤの天日乾燥
昨年の秋に戸狩スキー場で刈り取ったカヤは冬場、
外様地区の町井会館で保管していましたが、好天続
き が 見 込 め る 4月 26日 に 屋 外 に 出 し て 、天 日 乾 燥 を
行いました。
28日 に は 、小 谷 屋 根 の 茅 葺 屋 根 職 人 の 松 澤 さ ん が
見えられ、管理方法をアドバイスいただき、乾燥が
済んだ一部を加工するために持ち帰られました。5
月 1日 に 乾 燥 を 済 ま せ て 再 度 保 管 、6月 以 降 に 飯 山 市
内の古民家修復に使われる予定です。
広 げて乾 燥 中 のカヤ
編集後記
先 日 、新 し い 会 の 入 会 案 内・リ ー フ レ ッ ト を 作 成 し ま し た( 下 の 写 真 )。北 信 濃 の 里 山 風 景 と
会の活動など、写真とイラストでその魅力を醸し出しました。新年度が始まり会員の確保や会
のPRにつなげたいと思いますので活用ください。本年度も地域資源の活用と地域連携を深め
る活動を進めたいと考えるところです。
発 行 者:北 信 濃 の 里 山 を 保 全 活 用 す る 会
会長 井田秀行
事 務 局 : 〒 389-2253
飯山市大字飯山1436-1
飯山市公民館内
TEL: 0269-62-3342
FAX: 0269-62-5940
E-mail: kouminkan@city.iiyama.nagano.jp
編集者・事務局長:福本匡志